亜鉛不足の原因と症状(亜鉛と抜け毛の関係も)

亜鉛は体の中で様々な役割を担っている非常に重要な栄養素で、細胞の新陳代謝に大きな役割りを担っているのですが、亜鉛が不足することで、食べ物の味を感じにくくなる「味覚障害」や、肌荒れ、にきびを初めとした「皮膚炎」や「発疹」、「脱毛」といった症状が起こりやすくなってしまいます。

また、亜鉛は成長や発育に必要不可欠な栄養素なので、欠乏してしまうと「発育不全」といった症状が見られる場合もあります。大変重要な栄養素ではありますが、亜鉛は体内で作ることができませんので、食品やサプリ等から摂取する必要があるのです。

亜鉛不足による様々な症状

亜鉛は人体に無くてはならない必須ミネラルの中の一つであり、不足してしまうことで以下の様な症状が起こる危険性が高まってしまいます。

  • 味覚障害
  • 肌荒れ
  • にきび
  • シミの目立ち
  • 爪の変形や変色
  • 口内炎
  • 脱毛
  • お酒に弱くなる
  • すり傷が中々直らない
  • 立ちくらみ
  • 目の疲れ
  • 性機能の低下
  • 生理不順
  • 疲れやすい
  • 物忘れが激しい
  • 風邪を引きやすくなった

この様に、亜鉛が不足することで体の色々な箇所で、様々な欠乏症が起こる可能性があります。また、亜鉛はタンパク質の合成やDNAの複製といった、大変重要な仕組みに関わっています。体内で亜鉛が不足してしまうと、妊娠中の胎児や成長期にある子供であれば「発育不全」や「成長障害」が引き起こされる危険性もあるのです。

亜鉛不足は味覚障害を招く

なんだか味の感じ方が変わってきた・・・と感じる方の中には、亜鉛が不足することで味覚障害を発症している場合もあります。

亜鉛が不足するとなぜ味覚障害が起こってしまうのか?それは、亜鉛は細胞の新陳代謝に必要不可欠な必須ミネラルで、味を感じとる「味蕾(みらい)」と呼ばれる器官を形成している「味細胞」の新陳代謝にも重要な働きを持っているからです。

この味細胞は、細胞の中でも特に新陳代謝の早い細胞なのですが、亜鉛が不足することによって代謝のサイクルが鈍り、味覚の機能にも異常を起こしやすくなってしまうというわけなのです。

味覚障害の症状とは?

味覚障害には幾つかの種類があり、食べ物の味が薄く感じてしまう「味覚減衰」と、全く味を感じなくなってしまう「味覚消失」、甘い食品を苦く感じたり、本来の味を他の味として感じてしまう「異味覚」といったものがあります。

味覚障害の原因としては、食品等から摂取する亜鉛の量が不足してしまう事の他、特定の薬剤によって亜鉛が体外へ排出されてしまうことで、結果的に体内の亜鉛の濃度が薄まってしまうことも要因に挙げられます。

亜鉛と抜け毛の関係

亜鉛が不足すると、薄毛や抜け毛のリスクが高まってしまうということも良く言われていますが、これにはちゃんとした理由があります。

髪の毛は「ケラチン」とよばれているタンパク質で構成されているのですが、亜鉛はタンパク質の合成を助け、細胞の再生を促す作用を持っています。この働きが、髪の毛を直接作っている細胞である「母毛細胞(もうぼさいぼう)」を活性化するからと考えられているのです。

男性型脱毛症(AGA)と亜鉛不足の関係

男性の薄毛の原因は、8割~9割が男性型脱毛症(AGA)が原因と考えられており、その要因としてDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる、いわゆる「悪玉男性ホルモン」が髪の毛を脱毛させ、薄毛リスクを高めてしまうことが原因と言われています。

しかし、亜鉛はこのDHTを作り出す「5-αリダクターゼ」と呼ばれる酵素の働きを抑制する作用があると考えられており、亜鉛が抜け毛や薄毛に対して効果的であるといわれています。

しかし、まだまだ研究が続けられている分野でもあり、亜鉛を大量に摂取したからといって薄毛が治るわけではありませんので、注意が必要です。最近では、AGAの治療を専門とした病院やクリニックも増えており、薄毛が気になる方はまずは病院で診察を受けることをおすすめします。

亜鉛を多く含んでいる食べ物や食材

先にも書きましたが、亜鉛は体内において必須ミネラルでありながら、体内で生成することが出来ない栄養素です。毎日の食事から摂取するしか方法がありませんので、亜鉛を含む食材を知ることは、亜鉛を不足させないためにも大切です。

  • 牡蠣
  • 牛肉
  • 卵黄
  • チーズ
  • 干しエビ
  • 味付のり
  • アーモンド
  • 落花生
  • 魚介類
  • 肉類
  • 大豆製品

これらは亜鉛を含んでいる食品の一例ですが、この中でも特に亜鉛を多量に含んでいるのが「牡蠣」です。牡蠣は「海のミルク」の愛称でも有名であり、亜鉛以外にも多くの栄養素をバランスよく含んでいます。滋養強壮や疲労回復にも効果があると言われており、「ビタミンB群」や「タウリン」も含んでいるので、万能食材と言えるでしょう。

牡蠣は独特の風味がありますので苦手という方も多いようですが、健康維持のためにもチャレンジした食材であるといえます。

⇒亜鉛の効果・効能・副作用と関連成分について

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