花粉症による鼻炎症状を軽減する治療法の一つとして、レーザーを用いて鼻の粘膜表面を焼くレーザー治療というものがあります。
今回は実際に治療を受ける方も多いとされるこのレーザー治療についてご紹介させて頂きます。
何故花粉症が緩和されるの?レーザー治療の仕組みについて
花粉症時における鼻炎というものは、鼻の粘膜が花粉に対してアレルギー反応を起こしてしまう事が発生するとされています。
そこで、レーザー治療ではこの粘膜の内、アレルギー反応を起こし易い箇所をレーザーによって焼く事で、粘膜表面の感覚を鈍らせて花粉に対する過剰反応を起こしにくくするようにします。
この治療法は鼻詰まりには効果てきめんと言われている為、重い鼻炎症状に悩む方々が実際に治療を受けられるケースもよくあると言われています。
※この治療方法は花粉症の症状を完全にストップするものではなく、花粉が多い日は症状が出る可能性があります。
また、治療の効果には個人差がありますので、体質によってはあまり治療効果が出ないといったケースもあるようです。
レーザー治療の種類
従来の手法としては数百度の高温レーザーで粘膜を焼くというものが一般的でしたが、最近では比較的低温のレーザーで粘膜表面を生焼け状態にする「ミディアムレアレーザー治療」という手法もあり、こちらの方が患者への負担は少ないとされており、治療効果自体も高温レーザーの場合と比べて然程遜色が無いないとされています。
レーザー治療はどこで受けられるの?
レーザー治療は専用の設備が必要となる為、それら治療設備が整った耳鼻科等の医療機関でのみ受け付けています。
安易な治療にご注意!失敗するケースも…
この治療方法は高温のレーザーによって敏感な粘膜に強い影響を与えるものですので、デリケートで繊細な治療技術が必要とされる為、治療後の成果や予後は医師の技術によって左右されるとされています。
その為、腕の良い医師による治療であればそれ程痛みも無く術後の経過も良好な傾向にあるとされていますが、医師のによっては治療時のミスにより、鼻への麻酔が十分でなく治療時に激痛が発生したり、粘膜を焼き過ぎてしまい炎症を起こしてしまう、鼻の表面にまでレーザーの熱が達してシミが出てしまうといったケースもあるそうです。
治療時期について
一般的にはレーザー治療は花粉の飛散が始まる時期が訪れる前までには治療を終わらせておくのが良いとされている為、医療機関でのレーザー治療の受付開始時期もそれに準じたもの(例えば12月中等)が設定される傾向にあるようです。
治療費と保険について
かつては治療に数万円程掛かってしまっていたそうですが、現在ではレーザー治療についての保険適応が認められるようになりましたので、高額治療の心配はなくなり気軽に治療を受けられる状況となっているようです。
治療を受ける際の注意点
治療時は事前に鼻に麻酔をかけるために、鼻の奥にガーゼなどで麻酔液をたっぷりと含ませる場合があるのですが、その場合は鼻をつたって喉にまでその麻酔液が流れ落ちてくるそうです。
この麻酔液を飲み込んでしまうと数日は喉が痺れてしまう為、治療時は事前にタオルを持参しておいて、喉に垂れてくる麻酔液は飲み込んだりせず都度口元にタオルをおいて吐き出し続けるようにしましょう。
また、術後当日は入浴は避けた方が良いと指導される事もありますので、事前に入浴を済ませて、治療後に入浴しなくても良いように体が汚れたり汗をかくような活動は控えるようにした方が良いでしょう。
また、治療を受けた医療機関によっては痛み止め薬が処方されないケースもありますが、万一帰宅後に痛みが発生した場合に備えて、出来れば処方して貰うのが安心です。
治療時の副作用は?
治療後の鼻水・くしゃみ
治療後しばらくは鼻水やくしゃみが頻繁に出る状態がしばらく続くのですが、これはおよそ1週間程度で納まるとされています。
治療時の痛み
治療時の痛みについては、治療を担当する医師の技術に左右されるのですが、レーザー治療に自信のある腕の良い所であればほぼ痛み無しで治療して貰える場合もあります。
※未熟な医師の場合、治療時のミスによってはレーザーの照射し過ぎて粘膜にカサブタが出来て鼻詰まりを起こしてしまったり、ひどい場合は鼻涙管閉塞を招いてしまう場合もあると言われています。
治療後の通院
術後はしばらく数回程は通院する必要があるとされており、この通院をおそろかにすると鼻粘膜がくっついてしまう事があるそうなので注意したい所です。
嗅覚には影響はあるのか?
レーザーを照射する箇所は嗅覚を司る粘膜とは場所が異なる為、嗅覚への影響は無いとされています。
いつまで効果は持続するの?
レーザー治療の効果は永久的なものではなく、平均的にはおよそ1~3年位までが持続期間とされています。
これは一度焼いた鼻粘膜が時間の経過と共に再生を始める為でして、効果が無くなった後は改めて再度治療を受ける必要があります。
繰り返し治療を行う場合の副作用について
ただ、この治療は鼻粘膜に強い刺激を与えてしまうものである為、安全性の面から考えますと何度も治療を繰り返し行う事は避けるべきという意見もあるようで、この点は医師によって見解の別れる所のようです。
治療を行う医療機関によって方針の差はありますが、毎年治療を行うのは避けておよそ2~3年は間隔を空けるのが望ましいとされる傾向にあるようです。
レーザー治療だけに頼らない花粉症治療を
花粉症の予防は普段の生活習慣や花粉への諸々の日常的な対策等も重要な要素となっており、レーザー治療はその中のほんの一つという位置づけですので、花粉症対策をレーザー治療だけで済ませてしまうのは良くないとされています。
ですので下記の記事等を参考にして頂いて、レーザー治療以外の様々な花粉症対策も是非併せて実践するようにしましょう。
https://kenko-info.biz/kafun/1930/
https://kenko-info.biz/kafun/1950/