免疫療法で花粉症を根本から改善

花粉症

花粉症の治療法の一つとして「免疫療法」というものがあります。

これは「脱感作療法」や「減感作療法」とも呼ばれているもので、私達の体内にアレルゲン(花粉成分の抽出液等)を段階的にほんの僅かづつ注入していく事で、アレルゲンに対する体内の免疫機能を徐々に騙していき、最終的には免疫が花粉に対してアレルギー反応を起こさない所まで持っていく為の治療法で、いわば自身の体を花粉症にならない体質へと人工的に変える事が可能となっています。

花粉症というものは体内の免疫機能が過剰にアレルゲンに対して反応してしまう事で引き起こされてしまいますので、その過剰な反応を起こさないよう普段から体を花粉に馴れさせてしまえ!という発想に基づいている訳ですね。

この治療法が上手くいった場合、いざ花粉が体内に侵入したとしても免疫機能がそれに過剰反応しなくなりますので、これまでのように花粉症の症状を抑える為の様々な対処法の実践や薬の服用をする必要も無くす事が出来、花粉症の根本的な治療を実現する事が可能となっています。

※効果には個人差があり、必ずしも万人が症状の改善を期待出来る訳ではないとされています。

皮下注射による免疫療法

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免疫療法の中では古くから実践されているポピュラーな方法で、微量のアレルゲンを注射器によって体内に注入し、それを期間を空けて継続的に行う事で徐々に免疫機能のアレルゲンに対する反応を鈍くさせていく事を目的としています。

ただ、こちらの治療法は数年以上の継続的な治療が必要となり、大変に根気のいるものとなっています。
また、体質によっては劇的なアレルギー反応を引き起こしてしまう場合もある為、治療を受ける際は慎重になる必要があります。

ちなみにこの治療法は特殊な医療行為に部類に分類されるものである為、この治療法が受けられる医療機関も限られているようですのでご注意下さい。

新しい免疫療法「舌下免疫療法」とは?

舌下免疫療法とは前述した皮下注射による免疫療法に変わる治療法として皮下注射の治療法における注射時の痛みや度重なる通院の負担を軽減する為に新たに考え出されたものです。

具体的な方法としてはまずベロの下に少量の花粉エキスを垂らし、それを数分間保持した後に吐き出すというプロセスが基本となっています。

この治療法の利点は、注射時の苦痛を心配する必要が無く、更に自宅でも治療が行える為に通院の負担が最小限に抑えられるという点にあります。
※とはいえ皮下注射と同じく完全な治療には数年を要する為、根気が必要になる所は変わりません。

副作用も少ない舌下免疫療法

皮下注射の場合、体質によっては喘息や咳等の副作用が引き起こされたり、時には劇的なアレルギー反応を引き起こしてしまう心配がありましたが、舌下免疫療法ではそういった副作用を比較的少なく抑える事が出来ると考えられており、皮下注射と比べて安全性が高い治療法であると言えるでしょう。

2014年から保険適用対象に

舌下免疫療法は比較的最近になってから世に出た新しい治療法である為にこれまでは日本国内では保険の適用外となっておりました。
ですが度重なる臨床試験を経て、正式に2014年に認可された事で保険が適用されるようになった為、これからは経済面でも安心してこの治療法を受ける事が出来るようになったのです。

ただ、皮下注射の時と同じくこの治療法は特殊な部類に入る為、全ての医療機関で治療を受けられる訳ではありませんので、事前に受付を行っている医療機関を探す必要があります。

治療実施タイミングは限られている

舌下免疫療法は安全性に配慮した結果として、花粉の飛散が始まる1~5月の時期は原則的に治療が開始出来ないようになっています。

医師の治療方針によって開始可能な時期は前後しますが、おおまかには花粉の飛散が始まる数ヶ月前となる11~12月頃までには開始する傾向にあり、それを過ぎてしまうと翌年の夏以降まで治療開始を延期する必要があるとされていますのでご注意下さい。

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