神経痛(三叉神経痛と坐骨神経痛)の原因と症状・治療方法

神経痛は、その神経の分布領域に強い痛みを生じるにもかかわらず、肉眼的に神経には異常を認めないものをいいます。

三叉神経痛(さんさしんけいつう)

症状

50歳以降の女性に多い神経痛です。右あるいは左のあご、歯肉に針を刺すような痛みが起こります。冷たい水で顔を洗ったり、冷たい水を飲むと誘発されます。しばしば虫歯とまちがわれて抜歯されることがありますが、痛みはおさまりません。

原因

三叉神経が脳幹から出るところで物理的に圧迫を受けるために起こります。多くの場合、椎骨動脈、脳底動脈あるいは前下小脳動脈など、近くにある血管が蛇行、延長して神経を圧迫しています。まれには脳腫瘍や動脈瘤によることもあり、検査が必要です。

治療

内服薬としてはカルバマゼピンが有効です。外科的に三叉神経と圧迫している動脈を離し、その間にスポンジを入れると完治します(ジャネッタ手術)。

舌咽神経痛(ぜついんしんけいつう)

症状

咽頭にビリビリとする強い痛みを生じます。痛いだけではなく、冷たい水を飲んだりして咽頭を刺激すると、迷走神経反射が強く生じて徐脈、さらに心停止を生じることもある危険な病気です。

治療

カルバマゼピンの内服をします。救急的に咽頭の麻酔をすることもあります。通常は2~3週間で自然に軽快します。

肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)

肋骨にそって激しい痛みが突然起こります。せきやくしゃみでも痛みが誘発されます。帯状疱疹や胸膜炎、肺炎などの病気が関係していることもあり、原因をはっきりさせることが大切です。

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)

症状

臀部から大腿後面さらに下腿後面へビリビリとする痛みがはしります。運動まひや他覚的な感覚鈍麻はまれです。

原因・診断

多くは腰椎の椎間板ヘルニアや変形性腰椎症によります。診断はX線撮影、腰椎CT撮影、MRI、CT脊髄造影などによります。

治療

中腰にならないこと、重いものを持たないことが大切です。ベッドのマットや敷き布団はなるべく固く薄くして、ひざの下に枕をあてがい、ひざを曲げた姿勢で休むようにします。内服薬としては非ステロイド系の消炎鎮痛薬を用います。

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