神経系の病気の診断

神経系の病気の診察には、一定の手順があります。以下ではその手順を説明していきます。

病歴

  • 現病歴・・・症状がどの様にして始まり、その後の経過はどうなのか?
  • 既往歴・・・過去にどの様な病気にかかったか?
  • 家族歴・・・家族に似たような病気の人が居ないか?また、両親の病気、死因等。

徴候(ちょうこう)

内科的徴候(打診、聴診、触診、血圧、体温、脈拍、呼吸、皮膚の色や艶など)と、神経学的徴候があります。神経学的特長としては、以下の様なものがあります。

  • 意識・・・意識障害の有無
  • 高次脳機能・・・知能(認知症の有無)
  • 脳神経系・・・視力、瞳孔、対光反射、複視の有無、眼球運動、顔面の感覚、咬筋・顔面筋の運動、聴力、嚥下(えんげ)機能、言語、首の筋肉、下の筋肉などの異常
  • 運動系・・・筋力や筋肉の固さ、腱反射、不随運動等
  • 感覚系・・・温痛覚、冷覚、触覚、振動覚や筋の運動覚、関節の位置覚等
  • 小脳系・・・四肢の運動がスムーズに行えるか?歩行や書字等。
  • 自律神経系・・・起立性低血圧、発汗異常、陰萎、膀胱直腸障害等の有無

検査

病歴や徴候から病気の概要を掴んで検査を行います。

診断

検査結果より、病気の正確な診断を行います。

治療

診断の結果から治療を開始します。

この様な手順を踏んで診断を進め、治療を行っていくわけですが、特に病歴を詳細に、かつ正確に把握することが何よりも大切です。よって、自分が神経系の病気に関する診断を受ける際は、自分自身の症状をしっかりと整理して、メモしておくことが非常に重要となります。

タイトルとURLをコピーしました