止血の方法

応急処置のまとめ

出血している部分が手足であれば、その部分を高く上げます。そうすることにより、重力差で出血の勢いをすこしでも弱めることが期待できます。

止血のしかたには、直接圧迫止血法と間接圧迫止血法とがあります。

直接圧迫止血法

出血している傷口に、清潔なガーゼや布をあて、数分間手や絆創膏でしっかり押さえたり、包帯をすこし強めに巻いたりして、出血部分を直接圧迫し止血を図る方法です。

直接圧迫止血法

出血している動脈より心臓に近い(中枢側)動脈を圧迫して出血を止める方法です。これとは逆に静脈性出血では、出血している静脈より心臓から遠い(末梢側)静脈を圧迫します。

間接圧迫止血法は、直接圧迫止血法と併用したり、直接圧迫止血法がおこなえない場合に単独でおこなうことがあります。間接圧迫止血法をおこなうには、全身の動脈の大まかな走行を知っている必要があります。

直接圧迫止血法と間接圧迫止血法の併用

直接圧迫止血法で止血できないときは、間接圧迫止血法を併用します。図では、前腕の動脈から出血し直接圧迫法では止血せず、前腕の動脈より中枢側にある上腕動脈の圧迫を加えて止血を試みています。

止血帯法

止血帯法は間接圧迫止血法に分類されますが、おもに腕(上肢)や大腿・下腿(下肢)の止血におこなわれます(上肢と下肢をまとめて四肢と呼びます)。止血帯法は、四肢の外傷で傷口が大きく直接止血法で止血しない場合や、四肢の太い血管から出血している場合、さらには四肢切断面から出血している場合におこなわれます。専用の止血帯が手近にない場合は、ネクタイ、スカーフ、帯、ベルトなどが利用できます。

止血帯法の実際

止血帯で出血部位より中枢側を強く縛ります。棒を利用すると、より強い力で縛ることができます。棒を用いた止血帯装着の手順を図に示しました。

20141028

出典:Google画像検索

止血帯法をおこなうときの注意

止血帯に、細いひもや針金を利用してはいけません。これらを止血帯にすると、筋肉や神経、血管を傷つけてしまうからです。止血帯の幅は3~5cmが適当です。1回の止血帯法で止血できる時間は30~40分です。

したがって、止血を開始した時間を記録しておくようにします。止血を始めて約30分過ぎたら、一度1~2分間止血帯をゆるめましょう。止血帯をゆるめる方法は、止血帯より末梢の皮膚の色が赤みをおび、傷口からは滲み出るくらいの出血を認める程度とします。

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