気道の確保と呼吸の確認・人工呼吸について

応急処置のまとめ

気道とは空気の通り道のことで、この通り道が確保されないと酸素が体の中に入っていきません。後に続く胸骨圧迫(心臓マッサージ)は、気道が確保されて始めて有効になります。

気道確保は「頭下げて・あご上げて」

気道確保には、傷病者を仰向けにして、傷病者の顔の横の位置に座ります。片手で傷病者のおでこを押さえて頭を軽く反らせながら、もう一方の手の指先をあごの先端の硬い骨の部分に添えて、持ち上げます。このとき、あごの下のやわらかい部分を圧迫しないように注意しましょう。

傷病者の頭が下がり、あごの先端が上になってのけぞるような形になります。これで、のどの奥が広がり、空気(息)が通りやすくなります。この方法を「頭部後屈・あご先挙上」といいます。

「頭下げて・あご上げて」と記憶すると覚えやすいでしょう。

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出典:Google画像検索

呼吸確認は「見て・聞いて・感じて」

気道が確保されたら、呼吸を確認します。呼吸の確認は「見て・聞いて・感じて」と覚えましょう。呼吸をしていれば、傷病者の胸が上下します。

傷病者の胸の動きを目で「見て」、口元に耳を近づけ呼吸音を「聞き」、吐息はほおで「感じて」ください。5~10秒間、胸の動きが見られず、呼吸音が聞こえず、吐息を感じないときは呼吸をしていません。

呼吸の状態がわからない場合も、正常な呼吸はないものと判断しますが、この判断に10秒以上かけないでください。

心停止直後には、しゃくりあげるように途切れ途切れに起こる「死戦期呼吸」がみられることがあります。この死戦期呼吸も正常な呼吸がないときと同様に「心肺停止」とみて、心肺蘇生を始めます。

反応はなくても、普段通りの呼吸があるならば、傷病者の症状に注意しながら、救急隊の到着を待ちます。

人工呼吸は2回まで

「口対口人工呼吸」をおこないます。「頭下げて・あご上げて」の気道確保の姿勢のまま、息を吸い込んでから自分の口を傷病者の口に当て、空気が漏れないように息を吹き込んでいきます。

このとき、傷病者の鼻から吹き込んだ息が漏れ出すのを防ぐため、おでこを押さえている手の親指と人さし指で、傷病者の鼻をつまみます。
横目で傷病者の胸を見ながら、胸が軽く持ち上がるぐらいの息の量を約1秒かけて入れます。一度口を離し、傷病者の息が自然に出るのを待ち、2回目の人工呼吸をおこないます。

最初の吹き込みで傷病者の胸が上がらない場合は、再度、頭部後屈・あご先拳上法を試みてから、2回目をおこないます。

息を吹き込んだ時に自然と胸が上がるのが理想ですが、もし2回とも上がらなくとも人工呼吸は2回までとします。人工呼吸に抵抗感がある場合は、人工呼吸を省略して胸骨圧迫(胸骨圧迫)をします。

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出典:Google画像検索

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