白質ジストロフィー症

中枢神経の白質を広く障害する病気で、遺伝性の病気が多いのが特徴です。

クラッベ病

生後6ヶ月頃に発症する疾患です。原因遺伝子が常染色体に存在する「常染色体劣性遺伝」します。グルコシルセラミダーゼが欠損し、サイコシン(脳が作る毒のようなもの)が脳に溜まります。

症状は筋緊張亢進(こうしん)、錐体路徴候陽性(すいたいろちょうこうようせい)、意識混濁、視力の低下、難聴等です。

診断はMRIで行います。クラッベ病に疾患していると、大脳白質が全体に変化し、末梢神経の伝導速度が下がって髄液のたんぱくが増加します。

異染性白質ジストロフィー症

1~4歳で発症し、常染色体劣勢遺伝をする病気です。アリルサルファターゼが欠損し、スルファチドが脳に蓄積します。

症状は歩行困難やこわばった歩き方、構音障害、知能低下等が見られます。

副腎白質ジストロフィー症

4~8歳で発症することが多く、伴性劣性遺伝によって男児のみに発症する病気です。血清の極長鎖(ごくちょうさ)脂肪酸が増加し、大脳白質と副腎に機能障害を引き起こします。

症状は皮膚の色素沈着、副腎機能の低下、行動異常や知能低下、四肢のこわばりと麻痺、視力低下、難聴、痙攣、呼吸不全等です。

治療は極長鎖脂肪酸の制限食(ロレンツォのオイル)や副腎皮質ステロイド薬を使用します。

尚、副腎白質ジストロフィー症は国の特定疾患治療研究事業対象疾患、いわゆる「難病指定」された疾患で、医療費の公費負担対象となっています。

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