髄膜炎の症状と治療方法

髄膜炎の原因はさまざまで、もっとも多いのはウイルス性の髄膜炎です。数日で頭痛がピークに達します。予後は比較的良好なことが多く、1カ月程度で軽快します。

化膿性髄膜炎は成人では肺炎球菌や髄膜炎菌によることが多く、髄液が白濁する特徴があります。的確な抗生物質を使えば後遺症無しに完治しますが、しばしば失明、難聴が残ります。

結核性髄膜炎は現在でも死亡率の高い病気ですが、約2週間の経過で頭痛、発熱、意識障害が進行し、後遺症として失明、難聴、水頭症を残します。

真菌性髄膜炎は結核性髄膜炎と同様にゆっくりと発症します。的確な診断ができればよい抗真菌薬によって改善しますが、診断が遅れると重篤となります。

症状

発熱と強い頭痛が特徴です。この頭痛はこれまでに経験したことのないような強い頭痛で、頭全体がガンガンします。患者のくびはかたくなり、下を向きにくくなります。重症例では意識障害があらわれ、さらに髄膜脳炎といって脳炎を併発してくることも珍しくありません。

診断

患者を仰向けにして頭をそっと持ち上げると、抵抗があり、かたく感じられます。これを項部硬直と呼びます。もっとも大切な検査は脊髄液の検査です。髄液は細胞数、たんぱく量が増加し、ウイルス性を除いて糖が減少します。髄液からいろいろな起炎菌が同定されます。

治療

頻度がもっとも多いのはウイルス性髄膜炎(無菌性髄膜炎)です。髄液検査では単純ヘルペスの抗体価が上昇することが多く、この場合はアシクロビルまたはビダラビンを点滴投与します。

細菌性髄膜炎は、乳児では大腸菌や溶連菌、幼児期は髄膜炎菌、肺炎球菌、成人では肺炎球菌と髄膜炎菌が多く、高齢者では肺炎球菌、リステリア、ブドウ球菌、腸内細菌が多くなります。これらの菌を至急同定し、適切な抗生物質を選んで6時間ごとに点滴投与します。

結核性髄膜炎は20代、30代に多く、また治療の時期を失すると難聴や失明に至るばかりでなく、死亡例もまれではありません。最近では特に欧米でエイズに伴う結核菌感染症がふえているので要注意です。

治療は最初からストレプトマイシン、INH、リファンピシンを併用します。真菌性髄膜炎ではクリプトコッカスによるものが多く、2~3週間の亜急性発症を示します。

フルカンを点滴投与し、通常は経口投与で1年間続けます。細菌性髄膜炎、真菌性髄膜炎、あるいは結核性髄膜炎はからだの抵抗力のおとろえた老人、糖尿病、肝硬変症などの患者に発症しやすく、多くは重症化します。

クリプトコッカスは小鳥や鳩の糞にいることが多く、これらに抵抗力の弱い人は要注意です。

クリプトコッカス症 – Wikipedia

クリプトコッカス症(クリプトコッカスしょう、英: cryptococcosis)とはクリプトコッカス属に属する酵母様真菌の感染を原因とする人獣共通感染症。ヒト、イヌ、ネコなどに感染する。主にCryptococcus neoformansによる呼吸器症状が認められる。クリプトコッカス属は空気中や土壌、植物などの環境中に広く分布する。

免疫抑制状態、通常であればその免疫力によって増殖が抑えられている病原性の低い常在細菌が増殖し、その結果として病気を引き起こすことがある日和見感染症の一つとして知られている。

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