脳や脊髄、神経に関する主な症状と経過

脳や脊髄、神経や筋肉の病気には様々な種類が確認されており、診断も難しいと思われます。しかし、一定のポイントを押さえていくことで、診断はそれほど難しくはないといわれているのです。

症状の起こりかたと経過

ポイントの第1は、症状の起こり方とその後の経過です。症状の起こり方と経過には、1型(脳卒中型)と2型(変性疾患方)、3型(多発性硬化症型)の3つのタイプがあり、1型は突然始まり、そしてゆっくりと軽快してくるもので、典型として脳卒中があり、血管障害型、あるいは脳卒中型と呼んでいます。

2型は、いつとは無しに始まり、徐々に悪化していくタイプです。パーキンソン病や脊髄小脳変性症といった、変性疾患や脳腫瘍(のうしゅよう)がこれにあたり、変性疾患型とも呼びます。

そして、3型は症状が出たり出なかったりを繰り返すもので、多発性硬化症や変形性頚椎症がこれにあたります。多発性硬化症型とも呼ばれています。

症状の分布を注意深く観察する

診断の第2のポイントは、症状の分布です。例えば痺れについてみると、3つのパターンがあることが確認されています。

1型は右、あるいは左半身が痺れるという特徴があり、脳卒中がその典型といわれています。そのため、これを脳卒中型と呼んでいます。この亜型として、例えば右の口角や右の手のひらということもあります。

2型は手袋や靴下をつける部分に左右対称に痺れが起こるもので、手袋靴下型とも呼ばれています。多発神経炎でよく見られる症状です。

そして、3型は手の親指側、あるいは小指側、時には手のひら等の部分的な痺れです。変形性頚椎症で度々見られる型です。

この様に、症状の起こり方と症状の分布を見ていくことで、病気の原因が分かってきます。例えば同じ右半身の痺れや麻痺であっても、ある日突然起こったのであれば「脳卒中型」が考えられますし、3ヶ月前からいつのまにか始まって徐々に悪化してきたというのであれば、脳腫瘍を考えることができます。

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