日本に花粉症が多い理由とは

花粉症

日本は世界的に見ても大変に花粉症の発症率が高いと言われていますが、その主要な原因のひとつが日本国内の杉(スギ)の存在にあるとされています。
今回は日本に植生している杉がどういった形で花粉症の増加に影響を与えているのかについてご紹介させて頂きます。

杉(スギ)は花粉症の発症を促してしまう条件が揃っている

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杉花粉はアレルギー物質が多い

杉に限らず植物は木や草花に至るまで季節の変わり目と共に花粉を飛散させる生態を持っているものなのですが、杉の出す花粉は人体の免疫機能に反応してしまうアレルギー物質を他の植物よりも比較的多く含んでいる為、花粉症の発生原因になり易いとされています。

また、杉花粉は水に溶けやすい性質を持っている為、人体の鼻粘膜や目に付着してしまうと容易に溶け出し、アレルギー物質を大量に浸透させ易いという点も花粉症の発症に拍車を掛けてしまうようです。

杉花粉は大量に実る

杉は他の樹木と比べると非常に多くの花粉を実らせる性質を持っている為、時期になると毎年大量の花粉を日本国内に飛散させる事になってしまいます。

また、花粉の飛散時期も開始から終息まで数ヶ月と長く続き、更に老木になっても旺盛に花粉を実らせる生態を持っている為、戦後の植林政策で大量に植えられた杉達は伐採されない限りは今でも元気に毎年時期になるとふんだんに花粉を実らせて私達の生活圏まで花粉を運んでしまっているのです。

杉花粉は軽くて遠くまで届く

杉の花粉は重量が軽い為、風に乗って遠くまで飛散し易い性質を持っています。
また、杉は背の高い植物でもありますので、それも手伝って更に遠くまで花粉を飛ばし易くなっており、その結果として山林から遠く離れた都市部にまでも大量の花粉が飛来する形となってしまうのです。

戦後の植林政策による杉(スギ)の増加が最たる原因

戦時中の日本では資材徴収の為に国内の山林で樹木の大量伐採が行われていたのですが、その結果として終戦頃になると国土における多くの樹林が失われる結果となってしまいました。

そこで戦後の日本ではそれら失われた森林資源の復活を目指して植林事業を積極的に進める事となり、中でも杉の植林が盛んに行われるようになりました。

その結果として戦後の植林政策の開始からその数十年後には、日本の国土における樹林の中で杉の占める割合が爆発的に増加し、日本国内のそこら中の山林で杉が大量に群生してしまっているという歪な植生バランスを生み出す形となってしまったのです。

戦後日本人のライフスタイルの変化も原因のひとつ

以上のように日本で杉花粉による花粉症が多い要因についてご紹介させて頂きましたが、実は決して杉ばかりが悪者という訳ではありません。

戦後の日本では食生活等が大幅に変化し、多くの日本人が欧米式の生活スタイルへと移行する事になった訳ですが、それに伴って花粉に対して過剰にアレルギー反応を示す人々が急激に増加するようになったと言われてもいます。

また、戦後は排ガス等による大気汚染の進行も進み、かつ食品添加物等を普段から多く摂取する機会が増えた環境の中で日本人が生活するようになった結果として、花粉に限らず各種アレルギー物質に対して過敏に反応してしまう抗体を保有する人の割合が大変に増加してしまったとも言われており、そういった背景もあって今日の日本では花粉症を患う方々が大変に多い状況となってしまったと考えられます。

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