食事療法や運動療法、さらには経口血糖降下薬でも血糖値がコントロールできない場合は、注射薬による血糖コントロールが行なわれます。
インスリン製剤
インスリン療法では、不足しているインスリンを体外から補い、血糖値を下げる治療法です。そして、インスリン注射には、効果が現れてくるまでの時間や持続時間によって、5つの種類に分けられています。
注射の回数は1日に2回~4回が多いのですが、最近は1日に1回で効果が24時間持続するものもあり、どのタイプを使うかは患者の病状によって決められています。
インスリン製剤の種類と持続時間
- 超速攻型・・・約3時間
- 速攻型・・・・約6時間
- 中間型・・・約18時間~20時間
- 混合型・・・約18時間~20時間
- 持続型・・・約24時間
速攻型はすぐに効果が現れるが持続時間は短く、持続型は効果が徐々に現れてくるため、持続時間が長いという特徴を持っています。
ちなみに、インスリン注射は一般的にイメージする注射針では無く、ペン型の専用注射器を用いて行ないます。操作が簡単なので、自分で注射を行なうことができるという利点があります。
GLP-1受容体作動薬
GLP-1受容体作動薬は近年になって開発された新しいタイプの注射薬で、インスリンの分泌を促進させる作用があります。さらに、低血糖をほとんど起こさずに優れた血糖改善効果を示すため、特に2型の糖尿病患者さんに適した薬剤として期待されています。
注意点としては、人によっては下痢や吐き気、便秘といった副作用を起こす場合があり、他の薬と併用することで低血糖を引き起こす可能性が指摘されています。
血糖自己測定でこまめに血糖値をチェックする
インスリン注射による薬物療法を行なう場合、自分で血糖値の値をこまめにチェックして、血糖コントロールを行なう必要があります。その日に摂った食事やインスリンの分泌具合でも血糖値は変化するため、通院時の検査だけでは不十分なのです。
毎日の生活の中で、自分の血糖値をこまめに知る習慣を身につける事で、適切な血糖コントロールを行なうことができるようになり、糖尿病への治療に対する意欲も沸いてきます。なにより、病気に対する理解が深まり、病気と向き合っていくための強い気持ちを持つことができるようになるのです。