疲れを溜めやすい現代人にとって、毎日の疲労回復の度合いは非常に重要です。しかし、疲れは徐々に蓄積していき、加齢と共に疲れは抜けにくくなってきます。
そういった疲労回復に有効とされる手段としては、疲労回復に効果のある食べ物を食べたり、適切な回復手段をとることでしょう。
このページでは、それらの疲労回復の手助けとなる情報を掲載していきます。
疲労回復に有効な食べ物や飲み物
疲労回復に効果的な食品として良く挙げられるのが「お酢」です。お酢は血糖値を下げたり、血圧を下げるといった効果も期待できる、万能な食品です。
お酢には「酢酸」と呼ばれる成分が含まれており、この酢酸は体内で「クエン酸」に変換され、エネルギーを生産する仕組みである「クエン酸回路」の作用を活性化させます。この作用が疲労回復に繋がるというわけです。
さらに、糖質（ブドウ糖）を含む炭水化物系の食品とお酢を一緒にとることで、この働きが更に活発化し、特に筋肉疲労や肝臓の疲れからくる疲労の改善が期待できます。
にんにくの優れた疲労回復効果
にんにくといえば、滋養強壮や肉体疲労に効果的という話は、誰しも一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、にんにくに含まれる「アリシン」と呼ばれる成分が、それらの効果の源となっているのです。
この「アリシン」は、にんにくに含まれるあの独特なにおいの元となっている「アリイン」と呼ばれる成分が分解された際に発生する成分です。
アリシンは体内でビタミンB1（チアミン）と結合することで、アリチアミンと呼ばれる物質に変化し、疲労回復作用を体内に及ぼします。この効果は、「疲労回復ビタミン」と呼ばれているビタミンB1よりも効率が良く、強力な効果を発揮すると言われているのです。
アリチアミンはビタミンB1に比べて体内で吸収されやすく、持続的な働きをもたらす活性型なビタミンです。これらの理由が、単体のビタミンよりも疲労回復効果が高い理由です。
疲労回復に効果的な飲み物
「お酢」は飲み物ではなく「食品」として扱いますので、この項目には該当させないことにしますが、お酢以外の「飲み物」として疲労回復効果のあるものとして、「緑茶」や「コーヒー」が挙げられます。
特にコーヒーで言えば、仕事の相棒として、また、徹夜の眠気覚ましとして愛飲している方も多いと思いますが、緑茶にもコーヒーにも含まれている共通の成分として、「カフェイン」があります。このカフェインが疲労回復に繋がる理由の一つとして挙げられます。
カフェインの主な作用を説明します。まず、交感神経系を刺激して、疲労や眠気を除去する「中枢興奮作用」と呼ばれる働きを体に起こします。
この働きは即効性の高い疲労回復効果を発揮すると考えられているのですが、直接的な肉体疲労の回復、または解消に繋がるわけではなく、あくまでも一時的なものに過ぎませので、あくまでも「その場しのぎ」程度の回復具合と考えてください。
注意点としては、カフェインの過剰摂取は体にとって逆効果となります。悪影響としては「睡眠障害」や「カフェイン中毒」等が挙げられますが、あくまで摂取は程ほどにし、一時的な疲労回復効果として活用するのがベターでしょう。
疲労回復の方法（対処法）
疲労回復の手段はさまざまな種類が書籍やテレビ等でも紹介されており、実際に効果があるものから疑問符が付くものまでさまざまです。
そういった多用な疲労回復の手段の中から、特に効果が高いと思われるものを以下に紹介したいと思います。しかし、あくまでも疲労回復の方法としての基本は、「適度な休息」と「栄養バランスの取れた食生活」、そして「質の良い十分な睡眠」となります。
質の良い睡眠を取っているか？
睡眠は単純に長時間、だらだらととれば良いというものではありません。寝すぎることでかえって逆効果となる場合もあるのです。
短すぎる睡眠（４時間以下）は問題ですが、逆に休日等でいつもより長く寝すぎてしまうことも問題です。人によっては、次の日は休みだからと前日に夜更かししてしまい、休日の昼過ぎや夜まで眠ってしまった結果、生活リズムが崩れてしまうといった結果にもつながりかねません。
質の良い睡眠は、心身ともにしっかりと疲れを取ってくれますが、短時間であったり、だらだらと長時間眠ってしまう睡眠は、先ほど説明したように、マイナスの効果を生んでしまう場合もありますので、気をつけてください。
休日の過ごし方としては、休みだからといつまでも眠るのではなく、いつもどおりに目を覚まし、天候にも左右されますが、外に出て適度な運動を行なってみましょう。このような休日の過ごし方を「アクティブレスト」と呼びますが、休日を利用して気分転換に努めたほうが、その日の夜はぐっすりと眠ることができ、また、生活リズムに乱れを発生させることもありません。もちろん、疲れもしっかりととる事ができます。
また、質の良い睡眠をとるためにも、寝る数時間前には食事を済ませておき、「夜食」的な食べ物を、寝る前に食べないように気をつけます。そして、就寝する時間と起床時間をしっかりときめておき、規則正しく生活を習慣づけていきましょう。
ちなみに、最もベストな「質の良い睡眠」を取っている人では、毎日決まった時間に自然に眠くなり、布団に入ればスッと眠りにつき、毎朝目覚ましが無くても同じ時間に自然と目が覚めるような睡眠を毎日とっているのです。
糖分を補給して脳の疲労を回復！
脳の疲労回復には「睡眠」は勿論ですが、疲れを回復するための「エネルギーの元」を補給しなければなりません。その元となる代表的な成分がブドウ糖です。
ブドウ糖は砂糖や炭水化物（糖質）に含まれており、これらの成分を摂取することで脳が活性化され、もやもやとしていた思考がスッキリとします。特にデスクワークに就いている人の場合、脳内のブドウ糖が不足気味となりますので、砂糖を入れたコーヒーを飲む等して、ブドウ糖を補給するようにしましょう。
ちなみに、糖分を過剰に摂取したからといって、その分だけ頭の回転が早くなるわけではありません。逆に、糖分の摂りすぎは糖尿病や血糖値の異常等をもたらすマイナスの面もありますので、くれぐれも摂りすぎには注意してください。
ビタミンは疲労回復に効果的
「にんにくの優れた疲労回復効果」の項目でも解説しましたが、ビタミン群は疲労回復に効果的とされており、ビタミンB1が代表的な栄養素として挙げられます。また、ビタミン群は体の様々な物質の代謝に関わっている重要な栄養素であり、そのどれもがお互いの相互作用によって色々な効力を発揮しているのです。
基本的に、ビタミンやミネラルといった栄養素は、その他の様々な成分と結びついて、体の様々な代謝に関わっている成分です。なので、これらの栄養素ばかりを集中的に摂取するのではなく、様々な栄養をバランスよく摂取することで、さらに高い相互作用を生み出す結果となります。
かといって、様々な栄養素全てを食品から摂取するのも難しいと思いますので、そういった場合はサプリメントを活用して、不足しがちな栄養素を補うことも効果的といえます。
