血糖値を下げる食べ物・食材

「食物繊維」は、便秘解消効果の他、血糖値を下げる食べ物としてもよく取り上げれられますが、他にも「クロム」を含む食べ物にも、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。

また、これらの成分の他にも、「健康茶」とされるお茶の中にも、血糖値を下げる効果のある成分が含まれており、糖尿病を心配する人達や、血糖値をコントロールしなければならない人達の大きな注目を集めています。

血糖値が気になる方であれば、こういった食品やお茶を普段からまめに取り入れるようにしていけば、ある程度の血糖値のコントロールも可能となってきます。

血糖値を下げるために効果的な食品は?

血糖値を下げたり、上昇をコントロールする効果が期待できる食品として、先にも挙げた「食物繊維」を多く含む食品(野菜類やきのこ、海藻類等)に加えて、ミネラルの一種であるクロムを多く含む食べ物(豆類やきのこ、魚介類、玄米等)があります。以下では、これらの食品について説明していきます。

食物繊維の多い食べ物(食材)

食物繊維は便秘等にも効果的といわれている成分ですが、血糖値を下げる効果も確認されています。理由としては、食物繊維が糖類の吸収速度を遅らせる作用があり、食後の血糖値の急な上昇を抑える事が可能なのです。

さらに、水溶性の食物繊維の場合は、満腹感を得られやすく、食べ過ぎによる血糖値の上昇を抑える効果もあります。

  • ごぼう
  • かぼちゃ
  • きのこ類
  • 海藻類
  • 切干大根
  • 大麦
  • こんにゃく

これらは食物繊維を多く含む食品の一部です。普段の食事の中で、これらの食材を利用することで、血糖値の上昇を抑えることが期待できます。

クロムを多く含んでいる食品

あまり馴染みの無い成分ですが、クロムはミネラルの一種で、鉄分やカルシウム、カリウムといった栄養素と同様の成分です。クロムにはインスリンの働きを促進する作用があり、結果的に血糖値を下げることに役立つといわれています。

  • アーモンド
  • 落花生
  • しじみ
  • きのこ類
  • ひじき
  • ブロッコリー
  • 玄米

上記はクロムを含む食品の例ですが、特にナッツ類や貝類、きのこ類に多く含まれています。栄養素として摂りにくいと感じる場合は、販売されている市販のサプリメントでも良いですし、ビール酵母にもクロムがたくさん含まれています。

玉ねぎ・お酢で血糖値を低下させる

たまねぎやお酢は、先に紹介した血糖値の抑制が期待できる食品以外でも有名な食品類です。血液をサラサラにする効果も確認できることから、健康関連の番組でも紹介されることが多いようです。

玉ねぎ

たまねぎには、辛味成分である「硫化プロピル」という物質が含まれているのですが、この成分はブドウ糖の代謝を促進する働きがあるとされ、この作用が血糖値を下げる役割を担います。

注意点として、この「硫化プロピル」と呼ばれる成分は非常に壊れやすい成分です。調理の際に細かく刻んでしまうと、細胞が潰れて成分が失われやすくなりますので、繊維に沿って切るようにして、サラダとして生で食するようにすれば効果も高まります。

お酢

お酢は単体で摂取するよりも、何らかの食品の調理の際に一緒に摂る様にしましょう。お酢を食事中に摂取すると、食後の血糖値の急激な上昇を抑制することが、研究によって解明されています。

お酢の主成分は酢酸と呼ばれる成分ですが、この成分が体内で「クエン酸」に変換され、体内の糖質をエネルギーに作り変えていきます。この仕組みのことを「クエン酸サイクル」と呼んでおり、お酢はこの働きを活性化させる働きがあるというわけです。

この作用によって、糖質の代謝が促進され、血糖値の上昇を穏やかにしてくれるというわけです。

血糖値を下げるお茶

お茶は日本人の文化であり、好んで飲まれている飲み物でもあります。そして、そのお茶の中には血糖値の上昇を抑制する働きをもっているものもあります。具体的なお茶の種類を、以下で説明していきます。

グァバ茶

グァバはトロピカルジュースとして有名ですが、グァバの「葉っぱ」に含まれている「グァバ葉ポリフェノール」が、血液中への糖質の吸収を遅らせる作用があることから、茶葉として引用することで、急激な血糖値の上昇を抑える効果があると言われています。

ヤーコン茶

ヤーコンの葉の中には、フラボノイド類やクロロゲン酸といったポリフェノール成分が含まれており、これらの成分が血糖値の上昇を抑制する働きがあると言われています。また、すい臓から分泌される「インスリン」と同様の働きをする成分が含まれていることも、最近の研究によって分かってきました。

バナバ茶

フィリピンをはじめとした、熱帯地方に生息している植物がバナバです。ミネラル分や食物繊維、「コロソリン酸」等が豊富に含まれています。「コロソリン酸」と呼ばれる成分は、糖の代謝を促進する作用が確認されており、バナバ茶を摂取することで血糖値の上昇を緩やかに抑える効果が期待できます。

糖尿病の食事療法

糖尿病では、一般的に食事療法をベースとした治療が行なわれ、患者の状態によって運動療法も同時に行なわれます。そして、血糖値を下げるために「インスリン」が投与されたり、内服薬を利用した「薬物療法」が行なわれます。

上記で説明した3つの療法のうち、特に重要となるのは「食事療法」と「運動療法」なのですが、以下では食事療法に関してもう少し具体的に紹介してみたいと思います。

  • 適正な食事量(摂取エネルギー量)を守る。
  • 外食はなるべく避けて、栄養バランスのとれた食事を心掛ける。
  • 朝、昼、夜の1日3食を規則正しく食べる。
  • 早食いをせずに、ゆっくりとよく噛んで食べる。
  • できるかぎり薄味の食事に慣れる。

これらの食事方法を、毎日の食生活の中でしっかりと意識して取り組むことが重要です。なんとなく大変そうなイメージを受けると思いますが、実際に血糖値をコントロールしていく食事療法には、自分の好きなもの、好きな味付けで食べることができないといったストレスも付きまとってくるのです。

留意点としては、血糖値を気にするあまり、急激な食事制限を加えることでそれがストレスに繋がり、かえって身体に悪影響を及ぼす可能性もあることです。また、そういった急激な食事療法は長続きしません。

いきなり100%を目指すのではなく、自分の出来る範囲で、毎日コツコツと取り入れていくことが、長続きをさせる「コツ」と言えるでしょう。

>>血糖値の基準値(正常値)

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