血糖値の正常値(基準値)

血糖値とは、血液内のグルコース(ブドウ糖)の濃度のことで、健常な人の場合であれば、空腹時血糖値はおおよそ80~100mg/dl程度とされており、食後は若干高い値を示します。

食後に数字が上がるのは、基本的に食後は炭水化物が吸収され、ブドウ糖となって血液中に含まれるので、値が高くなるというわけです。糖尿病の疑いのない、健康な人であれば、血糖値の数値は「140mg/dL」を超えることは少ないとされています。

また、糖尿病でなくとも、加齢とともに血糖値は高くなっていく傾向にあり、中高年と呼ばれる年齢層からは、「自分は健康」と考えている人でも、血糖値の値には注意する必要があります。

尚、血糖値が高くなる原因は、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンが関係しており、インスリンの分泌が少なくなったり、働きが鈍化することで血糖値が一定に保てなく状態になると、血糖値が高くなってしまいます。

血糖値の正常値と基準値

血糖値の正常値は、現在は空腹時において80mg/dL~100mg/dLとされています。この数値は従来では、「110mg/dL未満」とされていましたが、日本糖尿病学会による見直しが行なわれ、正常域に関する新区分が公表されています。

先にも延べましたが、新たに設定された基準値としては、80~100mg/dL(100mg/dL未満)であれば正常域となり、100mg/dL~109mg/dLの範囲であれば正常高値、という判定内容となります。ちなみに、糖尿病の診断基準となる空腹時血糖値は「126mg/dL以上」です。

血糖値の正常域は2008年に改訂されましたが、改訂に至った理由として、今までの空腹時血糖値の正常値とされていた範囲の数字であっても、100mg/dL~109mg/dLの範囲に該当する人は、100mg/dL未満の人と比較して糖尿病を発症する割合が統計的に高くなっていることが判明したためです。

過去に血糖値を計り、当時の基準では正常値に収まっていたという方でも、安心はせず、食生活や運動習慣を初めとした、生活習慣の改善は常に意識するようにして、血糖値の上昇を抑えるように努めましょう。

空腹時血糖値の新区分

診断区分 空腹時血糖値
正常域 100mg/dL未満
正常高値 100mg/dL~109mg/dL
境界域 110mg/dL~125mg/dL
糖尿病域 126mg/dL以上

※2008年に改訂

糖尿病と血糖値の関係

先にも述べたように、血糖値の正常値は空腹時において100mg/dL未満となっており、食後には血糖値は高くなります。その値は、糖尿病でない人の場合であれば、140mg/dL未満となるのが一般的です。

糖尿病の判定基準

日本糖尿病学会による糖尿病の判定基準によれば、以下で記したの項目のいずれかに該当すれば「糖尿病型」であると判定され、別の日に再検査を行ない、再びいずれかの項目に該当した場合に糖尿病であると診断されます。

  • 随時血糖値が200mg/dL以上
  • 空腹時血糖値が126mg/dL以上
  • 75g糖負荷試験の2時間値が200mg/dL以上

ただし、1回目の検査で糖尿病型と判定され、さらに下記の条件のいずれかに該当する場合には、その時点で糖尿病と診断されます。

  • 糖尿病の典型的症状がある(口渇、多飲、多尿、体重減少など)
  • グリコヘモグロビンA1c(HbA1c)の数値が 6.5%以上
  • 糖尿病網膜症であると確実に診断される

血糖値を下げるには?

糖尿病患者が血糖値を下げる方法として一般的な方法には「食事療法」と「運動療法」があります。しかし、これらの基本療法を行なっているにもかかわらず、血糖値のコントロールが芳しくない場合には、内服薬や「インスリン注射」を用いた薬物療法が行なわれます。

薬物療法による血糖値のコントロールを行なうことで血糖値の値が正常域になったとしても、食事療法や運動療法もしっかりと継続していく必要があります。なぜなら、糖尿病治療のベースとなるのは、あくまで運動と食事による基本療法であり、この基本をしっかりと行なうことができなければ、治療に対する効果も不安定となります。

ただし、運動療法に関しては、その患者が糖尿病による合併症を引き起こしている場合はその限りではなく、逆に運動の制限が掛かる場合もあります。また、薬物療法によって血糖値のコントロールを行なっている患者の場合であれば、運動をするタイミングによっては、「低血糖障害」を引き起こす可能性もあります。

いずれにしても、自己判断による食事療法と運動療法にはリスクも伴いますので、医師の診断と指導の上で実践する必要があります。

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