血圧を下げる効果のある食品の代表例としては、「カリウム」を多く含んでいる食べ物が挙げられます。カリウムは体内の余分な塩分を排出してくれる作用がありますので、塩分過多による血圧の上昇を抑える効果が期待できます。
また、俗に言う「サラサラ血液」に効果のある食品類は、動脈硬化を予防し、血管を拡張することで血の流れを改善し、血圧を下げる働きがあると言われています。
注意点として、血圧を下げる効果が期待できる食品ばかりを摂取し、その他の栄養素が不足してしまえば、かえって高血圧を悪化させ、その他の病気の引き金になってしまう可能性もあります。当ブログでも何度もアドバイスとして書いていることなのですが、何事もバランスが大切であり、「ほどほど」の気持ちで行なう食事療法が重要なのです。
血圧を下げる効果のある食品(成分)
- カリウム
- マグネシウム
- カルシウム
これらの成分は、血圧を下げる作用があると言われている成分の一部です。これらのミネラル分を含む食品を摂る事で、血圧の上昇を抑えて、それに関係する疾患を予防することも期待できます。
他にも、食物繊維は体の中にたまった余分な塩分を排出する作用が確認されており、さらにコレステロールの吸収を抑えて、動脈硬化を予防するといった効能があることから、高血圧の予防に貢献できると考えられています。
血圧を下げるカリウム
カリウムは「天然の降圧薬」とも呼ばれており、体内から余分な塩分を排出したり、血管拡張作用もあることから、血圧を下げる作用のある成分として最も一般的な成分とされています。
「減塩療法」といって、食品から摂取する塩分の量をコントロールする方法も大切なのですが、例えば塩分の摂取は完全に0にするといった、偏った食事内容を続けてしまうと、食事によってストレスを受けてしまったり、栄養の偏りによる他の疾患を併発してしまう可能性があります。
そこで、カリウムの様な余分な塩分を排出してくれる成分の含まれる食品を意識して摂ることで、バランスの取れた食事を摂りつつも、血圧を下げる効果に繋がっていきます。
注意点としては、腎臓病を患っている患者であれば、カリウムの摂りすぎは「高カリウム血症」を発症する可能性が高くなってしまうため、医師による診断の元で、食事療法を行なっていくことが重要となります。
カリウムを多く含んでいる食品・食材
以下の表は、カリウムを多く含んでいる主な食材を紹介しています。毎日の食生活の参考に。特にジャガイモは、色々な料理にも利用しやすく、好き嫌いも少ない食材なので、積極的に使って行きたいところです。
果物で言えば、バナナが食べやすくてエネルギーとして吸収されやすいので、積極的に食べたい食材ですね。
食品群 | カリウムを多く含んでいる食品・食材 |
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野菜類 | ほうれん草・ジャガイモ・サツマイモ・おかひじき・切干し大根 |
果物類 | アボカド・バナナ・キウイフルーツ・干し柿・プルーン |
海藻類 | 昆布・わかめ・ひじき・海苔 |
豆類 | 大豆・小豆・枝豆・インゲン豆・きな粉 |
きのこ類 | シイタケ・マイタケ・きくらげ・エリンギ・シメジ |
高血圧とマグネシウムの関係とは?
マグネシウムが不足することで、高血圧に関係してくるのでは?と考えられており、マグネシウムを多く含む食品を摂取することで、血圧を低下させる効果が期待できると言われています。
他にも、マグネシウムはカルシウムの吸収力をアップさせることでも知られており、この作用も血圧を低下させることに繋がっているのではないかと言われています。
マグネシウムを多く含んでいる食品・食材
マグネシウムを多く含んでいる食材の一覧です。あくまで、毎日バランスよく栄養を摂る事が重要なので、これらの食品ばかりを摂るといったことは行なわないようにしましょう。
食品群 | マグネシウムを多く含んでいる食品・食材 |
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海藻類 | あおのり・わかめ・昆布・ひじき |
種実類 | アーモンド・落花生・カシューナッツ・クルミ |
豆類 | 大豆・小豆・インゲン豆・エンドウ豆・きな粉 |
魚介類 | 干しエビ・桜エビ・煮干し・なまこ |
カルシウム不足でも高血圧を招く
カルシウムが不足すると、骨を溶かして血液中のカルシウムの量を一定に保とうとする働きが起こります。すると、血液中のカルシウム濃度が高まってしまい、血の流れが悪くなってしまいます。これが高血圧を引き起こす要因となってしまいます。
高血圧とカルシウムは、一見すればあまり関係が無い様にも思ってしまいますが、細部を見ていけば、体の中ではこのような働きがることがわかっているのです。
もちろん、摂りすぎはかえって逆効果となってしまいますが、普段の食生活の中で、以下で紹介するようなカルシウムを多く含む食品を一品添えて、しっかりと体内に補給するように心がけていきましょう。
カルシウムを多く含んでいる食品・食材
朝食に牛乳を飲んだり、味噌汁にわかめを入れ、おかずに切干大根を加えるといった工夫で、カルシウム不足を補うことが出来ます。大豆系はカルシウム以外の栄養素も豊富なので、意識的に摂取していきたい食材です。
食品群 | カルシウムを多く含んでいる食品・食材 |
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乳製品 | 牛乳・ヨーグルト・チーズ・スキムミルク |
魚介類 | 丸干しイワシ・煮干し・ちりめんじゃこ・桜エビ |
大豆製品 | 木綿豆腐・高野豆腐・油揚げ・納豆 |
野菜類 | 小松菜・おかひじき・切干大根・大根の葉・ケール |
海藻類 | わかめ・昆布・ひじき・あおのり |
血液がサラサラになれば血圧も下がる
最近では一般的となった「サラサラ血液」という名称ですが、血液がドロドロとなり、血流が悪くなってしまうと、血管に高い負荷がかかってしまい、その結果が高血圧といった疾患へと繋がってしまうのです。
言い換えれば、血液をサラサラにし、血管に負荷をかけない状態を作っていけば、高血圧を予防することができるのです。
血液をサラサラにする作用が期待できる食品はいくつか確認されていますので、以下ではそれらを紹介していきます。
タマネギとニンニク
血液をサラサラにする作用のある代表格として、たまねぎとにんにくが挙げられます。他の健康効果も高いことから、一般的な認知度も非常に高い食材と言えます。
たまねぎやニンニクには、強い匂いの元となっている「アリシン」が含まれており、この成分は血液中のコレステロールを低下させ、血液をサラサラにして、血の流れを改善してくれます。これは抗血栓作用と共に、末梢血管の拡張作用も期待できるので、効果的に血圧を下げることが着たいできるのです。
また、たまねぎには「ケルセチン」と呼ばれる、フラボノイドの一種である成分が含まれているのですが、この成分も血圧を低下させる作用があると言われています。
サバ・イワシ・サンマなどの青魚
これらの魚類には、俗に「青魚」と呼ばれており、共通して「EPA(エイコサペンタエン酸)」と呼ばれる不飽和脂肪酸が多く含まれています。この成分は血小板の凝固を防ぐ作用があり、サラサラ血液を作り出す効果が高いといわれています。
EPAを多く含む魚は鯖やイワシ、さんまといった青魚以外にも、マグロやはまち、ブリ、太刀魚等にも豊富に含まれており、加えてそれらの魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)と呼ばれる、心筋梗塞や動脈硬化の予防効果が期待できる成分も多く含まれています。
お酢
お酢には血糖値を下げる効果もあるのですが、血圧を下げる作用もあると言われています。お酢には白血球の粘着度が増す作用を抑制したり、血小板が固まりやすくなることを防ぐ効果があることから、この作用がサラサラ血液を作り出すと考えられています。
さらに、お酢には血管拡張作用のある成分も含まれており、血の巡りを良くする効果も確認されています。また、お酢の主用成分である「酢酸」には、血圧上昇に関係するホルモンの作用を穏やかにする働きもあると考えられています。
「健康的な体を手に入れるにはお酢が良い」という話を聞いたことがあるかもしれませが、医学的には上記で説明したような効果が期待できるとされていることから、それらが健康維持に役立っているのでは?と考えられているのです。
血圧を下げる一般的な方法とは?
当記事内で説明した内容は、主に血圧を下げるための食品類に関する事項が中心ですが、もちろん食事以外でも血圧の改善に繋がる方法はいくつか存在しています。食事以外では、「ストレス」を溜め込み過ぎない生活を送ることも大切ですし、「適度な運動」を行なうことで、高血圧の予防や改善に繋がるということも確認されています。
また、「食事」や「運動不足」以外の高血圧の要因としては、「遺伝的要因」によるものや、他の疾患が関係している場合もあります。
しかし、大きな原因としては、やはり「食生活」に拠る所は大きく、塩分の摂りすぎや暴飲暴食といった食習慣をはじめとした、運動不足、過労やストレス、肥満、喫煙習慣や過度の飲酒といった「生活習慣」が発生リスクを高めていると考えられているのです。