ＬＤＬコレステロール（悪玉コレステロール）の基準値

ＬＤＬコレステロールの基準値として、血液中のＬＤＬコレステロールの数値が「１４０mg/dl以上」であると異常値とされ、脂質異常症の中の「高ＬＤＬコレステロール血症」に該当すると診断されます。

脂質異常症と診断された場合は、食事療法と運動療法を基本とした、生活習慣の改善は必要となります。また、患者の病状や動脈硬化を引き起こす危険因子の有無によっては、投薬によるコレステロール値のコントロールが行なわれる場合もあります。

ちなみに、脂質異常症は、以前は「高脂血症」という疾患名で呼ばれ、血液中の総コレステロール値も診断基準に入っていたのですが、現在の診断ガイドラインでは動脈硬化、ならびにそれに伴う病気の予防や診断に対する基準からは外れています。

ＬＤＬコレステロールの基準値と脂質異常症

LDLコレステロールの数値は、日本動脈硬化学会が設定している脂質異常症に対する診断基準値の一つであり、血液中の血清ＨＤＬコレステロールの数値が「４０mg/dl未満」であれば「低ＨＤＬコレステロール血症」とされ、中性脂肪の数値が「１５０mg/dl以上」であれば「高中性脂肪血症」とされる診断基準が設けられています。

さて、冒頭でも説明しましたが、ＬＤＬコレステロールの基準値は、血液中の血清ＬＤＬコレステロールの数値が１２０mg/dl未満であれば適性域とされ、１４０mg/dl以上である場合は脂質異常症の高ＬＤＬコレステロール血症と診断されます。

そして、これらの数値の中間となる「１２０～１３９mg/dl未満」であれば「境界域」ということになるのですが、だからといって問題無し、ということにはならず、動脈硬化に対する他の危険因子の有無によって、治療対象となる場合もあります。

脂質異常症の診断基準値

脂質異常症には異常値を示す脂質の種類の違いを下記に記します。診断基準地によって、この様なタイプに分けられます。

高ＬＤＬコレステロール血症の診断基準値

ＬＤＬコレステロール値を下げるには

値を下げるための基本としては、やはり食事療法と運動療法による生活習慣の改善です。この二つをベースにして、経過観察を行なった上で、改善の傾向が見られない場合に薬物療法の適応が検討されることになります。

ＬＤＬコレステロールを減らす食事方法

ＬＤＬコレステロールを減らす食事の摂り方として一般的な項目を紹介します。基本的には次のような内容を中心とした食事方法が推奨されています。

• 適正なエネルギー摂取量を心掛け、食べ過ぎないようにする（腹八分目）
• コレステロールや糖分を多く含んでいる食品を控える。
• 肉類の脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸を控える。
• コレステロールの低下作用を持つ大豆製品を積極的に食べる。
• 食物繊維をたくさん摂取する。
• 抗酸化作用のあるビタミン類やポリフェノール、リコピンを含む食品を積極的に食べる。

悪玉コレステロールの減らし方と食事療法のページでも、LDLコレステロールの減らし方に関して説明していますので、こちらもも参考にしてみてください。

ＬＤＬコレステロール値の計算方法

健康診断での血液検査の結果では、総コレステロール・中性脂肪・ＨＤＬコレステロールのそれぞれの数値が示されているだけで、ＬＤＬコレステロール値は明記されていない場合もあります。その際は、以下で説明している計算方法を用いて、ＬＤＬコレステロールの数値を算出することができます。

ＬＤＬコレステロール値の計算式

総コレステロール値－中性脂肪値÷５－ＨＤＬコレステロール値＝ＬＤＬコレステロール値

注意点として、中性脂肪の数値が「４００mg/dl以上」の人の場合、この計算式は利用できません。また、計算した数値と実際の測定値では大きな誤差が出る場合もあるので、算出した数値はあくまで参考程度としてください。正確な数字が気になる場合は、診断を受けた医師に相談してみることをお勧めします。