尿検査での尿蛋白測定と関連する病気

尿検査では、尿の中に含まれている「蛋白(たんぱく)」の量を調べることが一般的です。この蛋白は、いわゆる「尿蛋白」と呼ばれており、尿蛋白の量が一定量以上の場合、検査で「陽性」と判定されます。ただし、1度の検査で陽性反応が出たとしても、その日の体調やストレス、風邪を引いたり、激しい運動を行なった直後といった条件でも、尿に蛋白が混じることがありますので、2度、3度と定期的に検査を行なうことが大切です。

そして、複数回の尿検査全てで蛋白が一定量以上確認された場合、腎臓障害等の疾患が疑われます。放置せず、必ず医師の診断を受け、正しい治療を行なうようにしましょう。

尿蛋白の原因と病気の可能性

体に異常がなく、健康体の人であっても、尿に蛋白は含まれています。また、蛋白が混じる条件として、心労や肉体的な疲れといった一過性の原因も含めて、様々な要因が考えられます。先にも書きましたが、一度だけの尿検査で全てを判定する事は難しいので、複数回に渡り、定期健診を受けることが重要となります。

そして、腎臓や尿路系に異常があれば、複数回の尿検査全てで陽性反応が確認され、何らかの疾患が疑われることとなります。

尿蛋白の正常値と基準値

尿蛋白というものは、健康体であっても微量が尿に排泄されています。具体的な数値としては、1日あたり約40~120mgが排出されており、150mg程度までは、特に問題はないとされています。そして、尿蛋白の正常値(基準値)としては、1日あたり15mg/dl以下が目安となっており、尿蛋白の検査においてこの数値以下であれば「陰性(ー)」となり、15mg/dl以上の数値であれば「偽陽性(±)」および「陽性(+)」と診断されます。

尿蛋白検査の基準値

尿蛋白の数値 診断
15mg/dl以下 陰性(ー)
15~30mg/dl 偽陽性(±)
30mg/dl以下 陽性(+1)
100mg/dl以上 陽性(+2)

補足事項として、尿検査で陽性反応が出た場合でも、例えば子供や若者であれば「起立性蛋白尿」と呼ばれる、尿に蛋白が混ざる、比較的よく見られる現象もありますし、女性であれば妊娠中だと尿に蛋白が混ざることがあります。

また、発熱や激しい運動をした後でも、尿蛋白で陽性反応が出ることもありますので、一度だけ陽性となった場合であっても、そこまで心配する必要はないとされています。

重要なのは、継続した尿検査であり、行なった検査全てで陽性反応が出る場合に、始めて疾患のの可能性を疑うことになります。

腎臓病の食事療法

腎臓に障害が出て、腎機能が低下している場合は、食事にも気をつけなければなりません。具体的には、「たんぱく質」や「カリウム」、「塩分」等の摂りすぎに注意する必要があります。

これらの栄養素の制限に関しては、腎臓病と共に高血圧の心配がある患者であったり、腎臓病の種類や症状によって変わってきますので、自己流で判断せず、必ず医師の診断と指導の下で、食事療法を行なっていくことが重要です。

腎臓病の原因や症状は様々で、その全てに同じ治療法が適応できるとは限りません。しかし、普段の食生活を初め、生活習慣の改善は大きなウエイトを占めており、腎臓病の治療において、食事療法は非常に重要視されているのです。

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