ポリフェノールの効能・効果

ポリフェノールには「抗酸化作用」によって体の細胞を錆び付かせて傷をつけてしまう「活性酸素」の働きを抑える効果があり、老化や様々な生活習慣病に対する予防や改善に繋がると考えられています。

ちなみに、ポリフェノールには多くの種類が確認されており、それらを全てまとめてポリフェノールと呼んでいます。それぞれの種類によっては独自の作用を確認できる成分もありますが、全てに共通している作用に抗酸化作用があります。

ポリフェノールの種類とそれぞれの効果・効能

ポリフェノールと聞いて真先に思い浮かべるのが「赤ワイン」という方は多いと思いますが、ポリフェノールには緑茶のカテキンやブルーベリーのアントシアニン、大豆に含まれているポリフェノール等、多くの種類が確認されています。その数は実に数千種類にも及ぶと言われているのです。

カカオマス・ポリフェノール

その名の通り、チョコレートやココアの原材料であるカカオ豆に含まれているポリフェノールです。悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、血液をサラサラにする効果によって動脈硬化を予防・改善する働きがあるといわれています。

また、カカオ豆には精神安定作用である「GABA(ギャバ)」が含まれており、リラックス効果や集中力の低下を防ぐといった効果も期待できます。

アントシアニン

アントシアニンも最近の健康志向によって良く耳にする用語となっていますが、これはブドウやブルーベリー、紫芋などに含まれているポリフェノールで、疲れ目の予防や視力改善に効果があるとされています。

主に「目」に関係するプラスの効果が認められるアントシアニンですが、これは目の網膜に存在し、視覚情報を脳に伝える重要な役割を持っている「ロドプシン」の再合成を促進させる作用があるからだと考えられています。

カテキン

主に緑茶の主成分となっているポリフェノールがカテキンです。緑茶は健康にも良いと言われており、愛飲している方も多く居られるようです。

カテキンは血中のコレステロールを低下させる作用があり、その効果が動脈硬化や生活習慣病の予防に繋がると考えられています。さらに、抗菌作用や抗ウイルス作用も確認されており、虫歯の予防やインフルエンザの予防にも効果的であると言われています。

他にも、カテキンを継続的に摂取することで「体脂肪」を減少させる効能があると考えられています。カテキンには肝臓内で脂肪の燃焼効率を高める作用があるとされています。

ウーロン茶ポリフェノール

TVCMでもお馴染みのウーロン茶ポリフェノールは他のお茶の種類には見られない特有のポリフェノールと言われています。ウーロン茶ポリフェノールは、「リパーゼ」と呼ばれる脂肪分解酵素の働きを阻害する作用が確認されており、この作用によって脂肪が体内に吸収されにくくなると考えられています。

TVCM等では「食事と一緒に」とアピールされることが多いのですが、これは食事と一緒にウーロン茶ポリフェノールを摂取することで、血中に含まれる「中性脂肪値」の上昇を抑制する働きがあるといった実験結果が報告されていることを受けてのアピールポイントとなっているのです。

りんごポリフェノール

りんごポリフェノールの効能は、体に脂肪が蓄積される働きを抑制し、肥満の予防や解消といったダイエットに繋がる効果が期待できると言われています。また、食事から摂取した脂肪を体内に吸収されることを抑制する作用や、血中の中性脂肪値の上昇を抑える効果も確認されています。

イソフラボン

イソフラボンも健康に興味のある方にはお馴染みとなっており、これもポリフェノールの仲間です。イソフラボンは女性ホルモンの「エストロゲン」と化学構造が似ていることから、別名で「植物性エストロゲン」と呼ばれることもあります。

効果・効能としては、更年期障害の症状の緩和や骨粗しょう症の予防、がん細胞の増殖を抑制し、特に乳がんや前立腺がんに対する予防効果がみられると言われています。

エラグ酸

あまり聞き慣れない成分ですが、これもポリフェノールの仲間で、苺やラズベリー、ザクロの他、ナッツ類等に特に豊富に含まれています。他のポリフェノールと同様に、抗酸化作用を持っており、さらにメラニン色素の生成を抑制する作用があることから、美容効果の高いポリフェノールとして女性の間では人気の成分となっています。

エラグ酸にはこのような美白効果があるため、化粧品の美容成分として配合されることも多くなっているようです。

ロズマリン酸

主にシソの葉やローズマリー、レモンバーム(多年生のハーブ)などの「シソ科の植物」に特に多く含まれているポリフェノールです。ロズマリン酸の効能で注目されているものとして、「過剰反応を起こしてしまう免疫機能」を正常にする作用です。

この作用は、様々なアレルギー性疾患に利益となる働きがあると考えられており、アトピー性皮膚炎や花粉症の予防・改善に効果的であると言われているのです。

クロロゲン酸

クロロゲン酸は、主にコーヒー豆やゴボウに含まれているポリフェノールで、抗酸化作用の他に、肥満の予防や改善にも効果的であると言われています。

なぜ肥満の予防改善に効果が期待できるのかというと、皮下脂肪などで蓄えられていた脂肪をエネルギーとして利用する場合、脂肪は一旦肝臓に運ばれるのですが、クロロゲン酸は肝臓で脂肪の燃焼を促進する働きを持っており、脂肪の蓄積を予防する作用があると考えられているためです。

また、肥満予防だけでなく、体内で発ガン物質の生成を抑制する働きや知覚神経を刺激して認知機能の改善や向上に対する効果があるとも言われています。

赤ワインに含まれるポリフェノール

ポリフェノールと言えば赤ワイン、という程に認知度の高いこの両者の組み合わせですが、なぜこれほどまでに赤ワインが健康に良いと言われるようになったのでしょうか?

赤ワインには、ブドウの果皮の色素成分である「アントシアニン」や、渋味成分である「タンニン」をはじめとして、緑茶にも含まれている「カテキン」や「リスベラロール」など、様々なポリフェノールが含まれていることも人気の理由の一つとであると考えられ、健康志向の強い人達に根強い人気を誇っているのではないでしょうか。

尚、豆知識となりますが、ぶどうに含まれているポリフェノールは、白ぶどうよりも黒ぶどうに多いことから、赤ワインの製造過程ではブドウの皮や種はもちろん、茎も一緒に発酵させることが多く、この様な製造工程もあってか白ワインに比べて赤ワインの方が圧倒的にポリフェノールが多く含まれているのです。

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