オリーブオイルは社会毒なのか?健康への影響の噂

当ブログに検索からやってくる方々の中で、ここ数日で急に増えてきたキーワードがあります。それが「オリーブオイル」に関するキーワードです。ただし、関連するキーワードとしては決してよいものではありません。

  • オリーブオイル 毒
  • オリーブオイル 毒性
  • 社会毒 オリーブオイル
  • オリーブオイル 健康被害

なぜこの様なキーワードが増えているのか疑問に思って調べてみたら、前回紹介した記事(健康被害をもたらす「社会毒」とは?牛乳や砂糖も危ない?)の中で、引用として紹介した文章の中にオリーブオイルに関する記事が少しだけ入っており、このキーワードに反応して当ブログを訪れる人が多くなっているようでした。

ニセモノに要注意?オリーブオイルの粗悪品が出回っているらしい

これはまったく予想していなかったことなのですが、当ブログでこの件について、少し補足を入れてみたいと思います。勘違いして欲しくないのですが、オリーブオイルそのものに毒性はありません。健康被害を及ぼす可能性のある、「品質に問題がある商品」が市場に出回っていることが問題なのです。

まずはこちらの記事をご覧下さい。

ニセ物横行するオリーブオイル ニセ物だらけの「エキストラバージンオリーブオイル」

健康・美容にいい油として注目され、欧米だけでなく日本の食卓にも浸透しているオリーブオイル。ところが今、このオリーブオイルの品質が危機に瀕している。

オリーブオイルを使ったことのある人なら、「エキストラバージン・オリーブオイル」という名前を聞いたことがあるだろう。「エキストラバージン」とは、そのオイルがオリーブオイルの最高グレードであることを表す言葉で、「エキストラバージン」であるための基準は、主要な生産国が加盟する国際オリーブ協会(IOC)によって決められている。

~中略~

ところが、オリーブオイルの本家本元であるイタリアなどの地中海沿岸諸国では、最高グレードの「エキストラバージン」の名が冠されていながら、瓶の中身は精製オイルやオリーブ以外の原料からつくった安いオイルが混ぜ込まれているケースが相次いで発覚している。

安い偽装オリーブオイルの市場流入は、消費者を欺くだけでなく、市場価格の下落を引き起こし、本物のエキストラバージン・オリーブオイルを生産する誠実な事業者を苦境に追い込んでいる。

引用元:http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20130527/153723/

紹介した記事の中にもかかれていますが、「エキストラバージン・オリーブオイル」と言えば、数あるオリーブオイルの中でも最高級に位置する、日本でも非常に人気の高いブランドです。TVや雑誌でも紹介されることが多く、また、美容や健康にも良いということで、実際に利用したことがある方も多いと思います。

しかし、このエキストラバージン・オリーブオイルが、今日本でもホットなキーワードとなっている「偽装」によって、著しく品質を落としていると噂されているのです。噂といいますか、実際に偽装が発覚していることも分かっており、それらの商品が日本に「最高級オリーブオイル」として輸出されています。

ここで問題となるのが、オリーブオイルの製造方法の過程です。例えば、製造が追いつかないために、まだ熟していないオリーブオイルを瓶に詰め込んで出荷する・・・であれば、健康被害を心配する必要は無いでしょう。しかし、上記で紹介した文章の赤字の部分、「オリーブ以外の原料から作った安いオイル」が瓶詰めされて販売されているとしたら?

健康に良いと考え、オリーブオイルを毎日飲んでいるという方も多いでしょう。しかし、その中身はオリーブオイルですらなく、科学的に精製された安くて毒性の強い油であったとしたら・・・。

食の安全が問題視されている国として真先に名前が挙がってしまうのが中国です。中国では、いわゆる「地溝油(再生食用油)」と呼ばれる、体に健康被害を及ぼす油が使われていることが問題視されています。

さすがに地溝油レベルの油が使われているとは思えませんが、少しでも原価を落として儲けを高めるために、かなり安いオイルが使われているとすれば、そのオイルから作られたオリーブ・オイルには、おそらく期待する程の健康改善効果は現れないでしょう。

そればかりか、利用されているオイルによっては、逆に健康被害を及ぼす可能性もまったくの0ではないのです。

オリーブオイルが危険かもしれない、という噂は、おそらくこのような偽装問題が表に出始め、噂が噂を読んで「オリーブオイルの成分自体が危険である」との間違った認識が広まってしまったことに起因しているような気がします。

これは、エキストラバージン・オリーブオイルを製造している海外だけの問題ではありません。日本でも、オリーブオイルを名産にしている地方があり、特に香川県の小豆島のオリーブオイルは有名です。大切に育てたオリーブ、そして、一生懸命時間をかけて作り上げたオリーブオイルに、あらぬ噂を掛けられてしまってはたまったものではありませんね。

オリーブオイルの偽装に関して、もう一つ記事を紹介します。今度はこちらの記事をご覧下さい。

オリーブオイルの偽装とは?

オリーブオイルに関する不正の多くは、低級の植物油に植物エキスで香りや色をつけ、瓶や缶にイタリアの国旗やベスビオ山の紋章を印刷したラベルを貼り、架空の生産者の名前やそれらしい素朴なブランド名をつけて売る、といった単純な手口だ。

特に高額で取引されるエキストラバージンオリーブオイルでは、化学検査でも見つけられないような高度な技術を使って、安物のオイルから不快な味・においを取り除いて精製加工するという方法が蔓延しているという。

~中略~

低品質のオイルを混ぜてエキストラバージンと偽装する不正が蔓延し、精製オリーブオイルの供給量が爆発的に増えたことで価格競争にますます拍車がかかった。ユニリーバやネスレのようなオリーブオイル販売の最大手でさえも、低品質オイルの混入を知ってか知らずかは別にして、そのリスクを覚悟でより安価なオイル原料を探し求めた。

引用元:http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130513/1049198/?ST=life&P=2

特に気になる部分は赤字にして強調していますが、オリーブオイルの大手が低品質オイルの混入を黙認している?と、とれるような内容が書かれています。原料となっているオイルが低級の植物油であっても、風味や味、色を加工されては、私達消費者は気付くはずもありません。

そして、これらの偽装されたオリーブオイルを日本に輸入し、「最高級のオリーブオイル」として販売している業者も、例えその事実を知っていたとしても、「知らないフリ」をして売り続けるでしょう。もし、問題が発覚しても「知らなかった」でまかり通り、業者自体も被害者の様に扱われてしまう日本のあり方も問題ではないでしょうか。

オリーブオイルは、酸化しにくいと言われている「オレイン酸」を多く含み、体に取り込まれても酸化されにくいという性質を持つ、非常に優れたオイルです。健康に良いとされる側面が一人歩きして、過大に評価されている側面もあるような気はしますが、それでも他の油に比べて健康的な影響が少ないオイルであることは間違いありません。

情報の価値と真偽は自分で判断して決める

情報が気軽に入手できるようになった現代ではありますが、反面、この様な噂が出てきたときに、どんどんと拡散してあらぬ方向に誤解されることもしばしば起こります。私達消費者も、そういった情報をしっかりと吟味しつつ、何が本当に正しいのかを自分で判断して、物事の価値を決めていく必要がありますね。

オリーブオイル、私の家庭でも頻繁に使っています。米油も好きなのですが、オリーブオイルは様々な料理と相性が良いので、今後も使い続けていきたいと思います。

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