頻尿の原因と対策・尿漏れ(尿失禁)について

頻尿は気軽に人に相談しにくい面があり、これは医師に対しても同様で、頻尿の気があるのに、誰かに相談することもできず、結局は放置しているという人も少なくありません。

頻尿の原因として考えら得る要因は様々です。なんらかの疾患が原因となっている場合や、加齢によるもの、精神的なものまで関係してきます。デリケートな問題ではありますが、同様に問題を抱えている人はたくさんいます。勇気を出して医師の診断を受け、適切な治療を行なうようにしてください。

頻尿の原因

頻尿の原因として、膀胱炎や前立腺肥大症といった泌尿器系の疾患が原因となっている場合や、精神面が要因として発生しているもの等、様々な要因が関係しています。また、糖尿病患者によく見られるのが、喉の渇きが激しく、結果的に水分を多く摂取することから頻尿となってしまう例もあります。

また、脳神経系の病気でも頻尿となる場合があり、排尿に関係する伝達機能に何らかの異常が発生して、頻尿の原因となってしまう場合もあります。

過活動膀胱「OAB:overactive bladder」

過活動膀胱(かかつどうぼうこう)は、自分の意思とは無関係に膀胱が収縮し、膀胱内の圧力が高まることで、強い尿意を催してしまう疾患です。激しい尿意を催しますので、トイレの回数が増えるだけでなく、失禁してしまうこともあります。

過活動膀胱は、近年この病名で呼ばれるようになった疾患で、特に高齢者が発症しやすいと言われています。正確な患者数に関しては、情報が見つからなかったのですが、潜在的な患者は約800万人以上に上ると言われています。

この疾患の治療として、意識的にトイレに行く感覚を延ばし、膀胱を鍛える(尿を十分に溜めることができる状態を作る)といった行動療法や、「抗コリン薬」といって、膀胱の筋肉の緊張を解して収縮を抑える作用のある薬を服用する、投薬治療が行なわれることが一般的です。

間質性膀胱炎

細菌感染が原因で起こる、一般的な膀胱炎(急性膀胱炎)とは異なり、間質性膀胱炎は慢性的に膀胱炎を発症する疾患です。症状は膀胱炎と良く似通っているのですが、頻尿や尿意切迫感が強いという特徴があります。

一般的な膀胱炎では、細菌類が影響して尿に異常が出る場合が多いのですが、間質性膀胱炎にはそういった特徴がなく、また、細菌が関係しているわけではありませんので、抗生物質を服用しても、症状の改善が見られません。

まだはっきりとした原因が分かっておらず、複合的に様々な要因が関係しているのではないかと考えられており、病院での診断も困難であると言われています。

この様な理由から、全ての患者に対して共通する治療薬が無く、患者の状態に最も適応する内服薬が処方されます。他にも、膀胱内に直接薬剤を注入する方法や、膀胱を広げる「水圧拡散療法」などがあり、時には手術による外科療法が行なわれる場合もあります。

神経性頻尿

その名の通り、神経的な要因からなる頻尿がこのタイプとなります。心因性に起因すると言われており、精神的な緊張や過剰なストレスが高まると、強い尿意を催してしまいます。あがり症の人で頻尿の自覚症状があるという人も、神経性頻尿である可能性が高いといえます。

神経性頻尿を発症する人の年齢別統計やタイプを見てみると、高齢者よりも幼児や子供といった若い層や、精神的な緊張を伴う生活が続いている人に多くなっています。

神経性頻尿の特徴として、普段の生活の中でストレスや緊張から開放されている状態では、特に頻尿を訴えることは無く、就寝中に尿意を覚えて目が覚めるといったこともありません。

治療方法としては、膀胱の筋肉の緊張を解す効果のある「抗コリン薬」が処方されたり、精神的な緊張を緩和させる「抗うつ薬」が処方されることが一般的です。

尿もれ(尿失禁)

頻尿と共に、悩みの多い泌尿器系の症状が尿モレです。尿失禁とも呼ばれており、特に女性に多く、加齢に伴って発症頻度も高くなると言われています。統計では、40歳以上の女性の約半数以上の人が尿漏れを経験しているとのデータもあります。

尿もれは種類や原因によって、

  • 腹圧性尿失禁
  • 切迫性尿失禁
  • 混合性尿失禁

といった幾つかのタイプに分けられており、それぞれで治療・予防対策の方法に違いがあります。

尿漏れは、まずは自分がどのようなタイプに属しているかを知り、生活習慣の見直し、食生活や生活環境の改善を行なうと共に、病院で適切な診断を受けて、それぞれのタイプに最も適した治療を受けることが大切です。

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