胆石の症状と食事療法による改善

胆石の症状の代表的なものに「右側上腹部の痛み」があり、症状が進行して重症化すると発熱や黄疸といった症状が現れます

しかし、胆石を持っている全ての人がこれらの自覚症状を伴うわけではなく、症状が出ない「無症状胆石」の人も多く、この様な人の場合であれば、病院で定期検診を受診しながら様子をみていけば具体的な治療を行う必要はないようです。

ただし、自覚症状が無い場合でも胆石を持つ場合であれば、食事療法を実施することが推奨されており、暴飲暴食を避け、脂肪分の多い料理を控えるなど、規則正しい食生活を心掛けることが重要です。

胆石の症状

胆石の典型的な症状として、以下の3つが挙げられます。

  • 上腹部の痛み
  • 発熱
  • 黄疸

この3つが胆石症の三大自覚症状とされています。ただ、これらの症状の現れ方には個人差があり、胆石があっても全く自覚症状が出ないといった「無症状胆石」である場合もあります。

上腹部の痛みに関しては、胃が張る、胃がもたれるといった軽い症状から、「疝痛発作」と言われる激痛を伴う症状が起こる場合もあります。

胆石疝痛発作

胆石症の症状として代表的なものの一つに「右側上腹部」や「みぞおち周辺」の痛みが挙げられます。そして、一般的には「食後しばらく経ってから」痛み出すケースが多く見られ、痛みの程度や痛みが継続する時間は人それぞれです。

右の上腹部に激痛が発症し、その後に右肩や右腕、右背部などに痛みが及ぶこともあり、このような症状が胆石症による「疝痛発作(せんつうほっさ)」と呼ばれるものです。

疝痛発作が起きる場合、食事をとってから数時間後ぐらいに起こることが多く、脂肪分の多い料理を食べた際や、食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎといった暴飲暴食が誘発要因になると考えられています。

発熱・黄疸

胆石症の疝痛発作が生じた際に、あまりにも痛みが激しい場合には吐き気や発熱を一時的に伴う場合もあります。

一般的な症状として、胆石症による黄疸や発熱が出るケースは多くはありません。しかし、これらの症状が現れた場合は、胆石により胆管が塞がれて、「胆汁の排泄障害」を起こしていたり、細菌感染で胆嚢炎(たんのうえん)を起こしている可能性が高くなります。

これらの症状が自覚症状として現れた場合は、すでに重症であると考えられ、そのままにしておくと非常に危険な状態になる恐れがありますので、早急に病院で診断してもらう必要があります。

胆石症の食事療法

胆石症の治療方法としては、薬で胆石を溶かす「胆石溶解療法」や、体の外側から衝撃を与えて胆石を砕く「体外衝撃波破砕療法」、内視鏡によって胆嚢を摘出する「胆嚢摘出手術」などがあります。

しかし、病院で胆石があると診断されても無症状の患者さんの場合では、定期検診を受診すると共に、食事療法を基本とした生活習慣の改善治療が中心となっています。

胆石症の食事療法のポイント

  • 暴飲暴食や早食いは厳禁
  • 毎日の食事時間を規則的なものに習慣付ける
  • コレステロールや脂肪分の多い食品を控える
  • 刺激の強い香辛料は控える
  • アルコールやコーヒーなどを控える
  • 水分補給をしっかりと行う
  • 食物繊維を含んだ食品を意識して食べる
  • ビタミンC、ビタミンEをはじめ、ビタミン類を果物・野菜から摂取する

胆石の原因は?

胆石の原因には、食生活によるところが大きいと言われています。他にも、肥満や便秘、運動不足、過労にストレスも原因と考えられています。

他にも、先天的な体質による影響もあると言われていますが、やはり生活習慣をはじめとする後天的要因の方が大きな影響を及ぼすと考えられています。

コレステロールや動物性脂肪を多く含む食品

胆石症の中でも、コレステロールが胆汁中で結晶化して結石になる「コレステロール胆石」を原因とするものが多いと言われていますので、胆石症の食事療法では、コレステロールや動物性脂肪を多く含む食品の食べ過ぎに特に注意する必要があります。

コレステロールや動物性脂肪を多く含む食べ物・食品の代表的には次のようなものが挙げられます。

  • 鶏、牛、豚の内臓
  • いくら、明太子、数の子(魚卵)
  • 卵黄
  • バター、ラード
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