貧血を改善するために効果的な良い食べ物や料理

貧血の改善に役立つ食品として代表的なものは、豚や鳥、牛のレバー、シジミ、あさり等の貝類等があげられます。これらの食品には「鉄分」が多く含まれており、鉄分を多く含んだ食品を摂取することで、貧血の症状としてよく見られる「鉄欠乏性貧血」の予防改善に役立つと言われています。

中には「悪性貧血」と呼ばれる、鉄分の摂取ではなく「ビタミンB12」や「葉酸」を多く含む食品をとることで改善が期待できる貧血もありますので、自分の今の貧血がどのような原因で起こっているのかを知る事は、効果的な食事を摂る上でも非常に大切なことなのです。

貧血の改善に効果的な食品

先にも書きましたが、貧血にはいくつかのタイプに分かれており、その中で特に一般的な疾患と言われる「鉄欠乏性貧血」と、ビタミンB12や葉酸が不足することで起こる「悪性貧血」等が挙げられますが、いずれも不足した栄養素の欠乏によって発症リスクが高まりますので、これらの予防と改善に役立つ食品を以下に紹介していきます。

豚・鳥・牛のレバー

これらの肉類の赤み部分にも鉄分は多く含まれているのですが、特に「レバー」には、体内への吸収率の高い良質の鉄分「ヘム鉄」が含まれています。

鉄欠乏性貧血の予防と改善にはうってつけの食材であり、肉類のレバーにはビタミン12も葉酸も多く含まれていることから、悪性貧血の予防・改善にも役立つと言えるでしょう。

シジミやアサリ(貝類)

貝類にも鉄分が多く含まれており、肉類と同様の「ヘム鉄」であることから、体内への吸収率も高いという特徴があります。また、しじみにはビタミン12も多く含まれており、貧血の改善だけで無く、滋養強壮や疲労回復効果も期待できます。

ほうれん草・小松菜

野菜の中で鉄分が多い食材として有名なのが、ホウレンソウや小松菜です。レバーや貝類と違う点として、含まれている鉄分は体内への吸収効率の悪い「非ヘム鉄」です。

しかし、鉄分の吸収を助ける「ビタミンC」が豊富に含まれていますので、貧血の予防や改善を期待できる野菜として摂取すると良いでしょう。また、葉酸を多く含む葉系の野菜なので、悪性貧血の症状改善にも効果的といえます。

ひじき・切干し大根

子供が苦手な食材として名前の上がることが多いこれらの食材ですが、どちらも非常に優れた栄養食品で、葉酸や鉄分の含有量も他の食品に比べて多い部類となります。ホウレンソウや小松菜と同様に「非ヘム鉄」なので、ビタミンCを含む他の食品と一緒に食べることで、体内への鉄分の吸収効率をアップさせることができます。

鉄の吸収率を高める

ここまでの記事の中でも少し触れましたが、鉄分は体内での吸収効率が悪い栄養素です。しっかりと摂取したつもりでも、あまり吸収されていなかったということも起こりえます。

そこで、鉄分を含む食品を食べる際に、少し工夫を入れてみましょう。具体的には、鉄の体内吸収効率を助ける「ビタミンC」が含まれる食品と一緒に食べるようにします。ビタミンCは野菜や果物に多く含まれていますので、これらの食材も積極的に食べるようにしてみましょう。

さらに、鉄板や鉄でできたフライパンで食材を調理することで、調理器具から少しずつ「鉄」が溶け出すので、鉄分をあまり含まない炒め物を作ったり、朝食に目玉焼きを作るといった調理法法を行なうことで、微量ながら鉄分を摂取することが可能です。

貧血の原因

貧血の原因として考えられている大きな要因として、「鉄の不足」による影響が一般的によく知られています。鉄欠乏性貧血がまさにそれです。また、ビタミン12や葉酸が不足することで起こる貧血は「悪性貧血」と呼ばれており、この貧血も特定の栄養素が欠乏することで発生すると考えられています。

ただし、これらの原因の他にも、他の疾患が要因で発生する貧血もあります。たかが貧血と甘く見るのではなく、頻繁に発生するようなら、しっかりと病院で診察を受けるようにしてください。

鉄欠乏性貧血

鉄分は体内で生成することが出来ない栄養素の一つで、体外から補給する必要があるのですが、この鉄分が不足することで発生する貧血が「鉄欠乏性貧血」です。貧血のタイプの中で最も多い種類と言われています。

体内で鉄分が不足することで、ヘモグロビンの合成が正常に行なわれなくなり、貧血の症状を引き起こしてしまうのですが、この鉄という成分は、体内への吸収が悪い栄養素としても有名で、調理法や一緒に食べる食品に工夫を加える等して、少しでも吸収効率を高める工夫が必要になります。

普段の食事から意識して摂る事も重要ですが、どうしても不足する場合はサプリメントを利用するのも良いでしょう。ちなみに、「ヘム鉄」と呼ばれる鉄分は体内への吸収効率が比較的高く、肉類や魚介類に特に多く含まれている鉄分です。一方、野菜や海藻類に含まれている鉄分は「非ヘム鉄」と呼ばれており、こちらは吸収率が低いという特徴があります。

悪性貧血

鉄欠乏性貧血とは違い、鉄分の不足ではなく「ビタミンB12」や「葉酸」が不足することで発生する貧血です。これらの栄養素が不足することで「造血障害」を引き起こし、その結果「大きな赤血球」が発生してしまうことから、「巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)」とも呼ばれています。

一昔前までは、原因不明の貧血とされており、時には生命の危機にも瀕することから「悪性貧血」と呼ばれるようになったのですが、現在ではビタミン12や葉酸を摂取することで症状も改善することから、名前程の危険性は低くなっています。

この貧血の一般的な症状としては、「舌炎」や「知覚・運動障害」といった神経症状等が挙げられますので、長引く貧血とこれらの症状が現れた場合は、悪性貧血の可能性を疑い、病院でしっかりとした診察を受けるようにしてください。

病気を起因とした貧血

栄養素の欠乏から発生する貧血以外でも、その他の疾患が原因で貧血を起こす場合もあります。「溶血性貧血」や「再生不良性貧血」等は、なんらかの原因によって造血作用に異常を来たすことで生じる貧血であり、さらに様々な要因が複合的な原因となって引き起こされる「続発性貧血(二次性貧血)」といった種類もあります。

いずれにしても、ただの貧血と甘く考えず、一度病院で診察を受けることをおすすめします。単に鉄やビタミン12、葉酸といった栄養素の欠乏であれば症状の改善も比較的容易といえますが、他の疾患が要因となっている場合も考えられますので、自己判断は得策とは言えません。

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