水虫(足白癬)の原因と症状・治療方法

水虫は白癬菌(はくせんきん)による感染症で、主に足に生じます。白癬の中での患者数は圧倒的で、全白癬患者の65%程度を占めるといわれています。

また、足白癬に罹患して痒みや炎症といった自覚症状があったとしても、皮膚科を受信しない患者さんが多く、日本人の20%程度は足白癬にかかっているのではないかとのデータも存在しています。

水虫の原因

水虫は誰にでも感染する可能性があります。特に、感染の機会が多いことが問題とされており、家族の中に水虫(白癬)の患者がいたり、老人ホームや公共のプール、共同浴場といった集団が出入りする場所の利用が多い人程、罹患する可能性は高くなります。

また、身体的な特徴によって水虫になりやすい人もいます。例えば、足の指と指の間が狭く、多汗で湿りやすい体質の人は水虫にかかりやすいとされています。

他にも、長時間革靴や長靴、安全靴等を履くことの多い人や、日々の生活習慣に拠る所も大きく、体を清潔にしていない人(入浴の回数が少ない等)もかかりやすいとされています。

水虫の主な症状

水虫(足白癬)には、主に以下の3種類に分けられます。

  • 趾間型(しかんがた)
  • 小水疱型(しょうすいほうがた)
  • 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)

しかし、上記のタイプを同時に複数個発症している場合も多く、完治に時間がかかってしまう理由の一つでもあります。

趾間型

足の指の間に 浸軟(しんなん)、または乾いた 鱗屑(りんせつ:皮膚表面からはがれかけている角質)を付着する紅斑性局面を示し、びらん(ただれ)状になったり亀裂を伴うことがあります。

かゆみを伴うことが多いのですが、個人差がありますので、まったくかゆみを感じないという人もいます。

小水疱型

足の底から足の側縁にかけて、半米粒大までの集まったり癒合する傾向のある水疱や膿疱(のうほう)を伴う紅斑性局面を示します。先ほども説明した趾間型も同様ですが、発症の季節は春~夏にかけてが多く、悪化もしやすいので注意が必要です。

趾間型と同じく、かゆみを伴うことが多いのですが、個人差がありますので、まったくかゆみを感じないという人もいます。

角質増殖型

かかとを中心に足の底全体の皮膚の 肥厚(ひこう)・角化や細かく皮膚がむける落屑(らくせつ)が特徴の水虫です。痒みは通常少ないく、また、冬期になってもあまり軽快しません。

水虫(足白癬)と区別すべき主な疾患は、 接触皮膚炎(せっしょくひふえん)や 汗疱(かんぽう)、 異汗性湿疹(いかんせいしっしん)、 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、 掌蹠角化症(しょうせきかくかしょう)などが挙げられます。

炎症症状の強い足白癬の悪化時に、手あるいは白癬病変のない足に小水疱が左右対称に生じることがあります。この病変中からは白癬菌は検出されず、一種のアレルギー反応と考えられ、 白癬疹(はくせんしん)と診断されます。

水虫の治療方法

水虫は一般的には直接鏡検(顕微鏡での検査)かKOH法で診断を行います。主な治療方法は、角質増殖型以外は、外用療法が基本ですとなります(白癬の場合)。

ただし、通常は外用期間は最低でも1ヶ月は必要となり、根気良く長期に渡って治療を行う必要があります。見た目的には皮膚も綺麗になり、回復したように見えても、2ヶ月程度は追加の治療を行なったほうが良いとされています。

水虫は罹患する患者によって認識が異なり、治療に対する取り組み方や意識の持ち方は異なるのですが、可能な限り治癒を目的として治療を行うべきでしょう。

現在では水虫は殆どの患者さんでしっかりと治療することができるようになっています。主に外用薬と内服薬の併用、あるいは外用薬のみで治療を行いますが、根気良く治療を続けたにも関わらず治癒しない場合は、症状を悪化(難治性化)させないように注意することも大切です。

難治性の足白癬には角質増殖型や爪白癬などがあり、これらの病型は通常の水虫よりもさらに治療が難しく、長期に渡ってしまうことでも知られています。

さらに、手や他の部位へ水虫を拡大させないようにしたり、ほかの人へ感染を広げないといったことを目標にして治療を続ける必要があります。

水虫の予防について

水虫(足白癬)の予防は、水虫になってしまった人から菌を拡散しないように散布防止を考え、生活環境中の除菌、さらには足への菌の付着と発病の防止が主な予防方法となります。

これは集団生活している全ての人にあてはまることです。罹患している患者さんは適切に治療を行い、ほかの人に水虫が移らないように注意してください。また、部屋の中はこまめに掃除し、水虫にかかっていない人も、毎日の入浴を欠かさないようにして体を清潔に保つようにしてください。

本文中でも書きましたが、水虫は根治までに長い時間と根気が必要になる疾患です。途中で治療を諦めることをせず、医師から完治したといわれるまで通院を行い、塗り薬の塗布を続けるようにしましょう。

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